目が覚めるとベッドの上だった。
大きなダブルベッド、さっき瑠とエッチしたベッドだった。

呪身「・・おはよう。」
直「おはよう。今何時だ?」
呪身「お昼の1時。お腹すいた?」
直「いや・・なあ、俺がこの宗教を作ったのか?」
呪身「うん。」
直「方針やなにをしているかは俺が決めたのか?」
呪身「殆どはね。」
直「じゃあ・・信者たちが乱交しているのも俺が決めたのか?」
呪身「そうだよ、おにーちゃんが決めたの。」
直「俺は・・なんて言って決めたんだ?」
呪身「”セックスくらい自由でもいいだろう?”だったかな。」
直「望まずにあそこにいる女の子もいるのも俺の意向か?」
呪身「望んでない子?そんなの一人しかいない。おにーちゃんの幼馴染だってね、私あの子嫌い。」
そう言って瑠はベッドに入り俺に抱きついてきた。

呪身「・・あの子は私が行くように命令したの。だってあの子おにーちゃんに色目使うんだもん。」
直「相手の嫌がることをしたらだめだよ。」
呪身「他人なんでどうでもいい。おにーちゃんがそばにいればそれだけでいい。おにーちゃんも私だけを見て。」
直「無茶言うなって。生きてりゃ色んな人に会うだろう?」
呪身「おにーちゃんの部屋にいる女もそう。私のおにーちゃんなのに。私だけのおにーちゃんなのに。」
直「落ち着こうな。とりあえず俺は帰るから。」
呪身「え?なんで?ここに住もうよ。二人だけで毎日エッチしよ。」
直「1回目の人生ならそれを選んでいたかもな。でも今は美歩を風俗から足を洗わせて俺が働こうと思う。」
昨日までいた俺がなにを目的になにをしていたのかはどうでもいい。
今俺がなにをしたいかで、俺がなにをするべきかだ。
美歩が風俗で働いているのは嫌だ。だから俺がなんとかする。

呪身「おにーちゃんはそんなことしなくていいんだよ。」
直「いや、こんなこと放っておいていいわけがない。これは俺の罪だ。俺がなんとかする。」
呪身「・・大丈夫、だれにもおにーちゃんは裁けないから。」
直「は?」
呪身「・・おにーちゃんはだれにも裁けない。」
直「まあこんな変な力があればそうかもしれないけど、神様は欺けないだろ。」
呪身「・・アメリカは第二次世界大戦で日本の罪をいつ裁いた?」
直「なに言ってんだ?」
呪身「答えは戦後。1945年に戦争が終わり、1946〜1948年にかけて東京裁判が行われた。極東国際軍事裁判が正式名称だけどね。」
直「どゆこと?」
呪身「争っている最中は裁くことができない。だから神様もおにーちゃんを裁けない。」
言ってる意味が全然わからん。
論理が破たんしてるのか重要なキーが説明されていないのかはわからないけど、とにかくだれも俺を裁けないからなにもしなくていいと言いたいのか?

呪身「・・おにーちゃんはもう少し寝てた方がいいよ。」
直「おい。」
俺は帰りたいんだが。

呪身「もう少しだけここにいてくれたらあの女を部屋から出してあげてもいいよ。」
あの乱交していた部屋にいた女の子か。実家の隣に住んでいた女の子。

直「わかった。だけど夜には帰るからな。」
呪身「うんっ。おやすみなさい。」
直「おやすみなさい。」
顔と言動は年下みたいだよな。時々難しいこと(よくわからんこと)言うけど。
でもこれで年上・・っていや過去に来たりしてたから実際は俺の方が年上でいいのか。
とりあえず寝るか。まだエッチした疲労が残ってるし寝れるだろう。

呪身「・・本当のおにーちゃんを取り戻してきてね。」

・・
・・・・

リポーター「私たちテレビスタッフは10年前に起きた惨劇の館へ来ています。」
リポーター「10年前、この地域で若い女性がさらわれる事件が多発しました。」
リポーター「その時の目撃証言から浮上したのがこの館の主人です。」
リポーター「しかし警察が令状をとり館へ来た時には既に持ち主はいませんでした。」
リポーター「そのまま残された家具、そして血を抜かれた若い女性の遺体が十数体見つかっただけ・・。」
リポーター「未だ犯人は捕まっていません。私たちスタッフは事件を忘れないため10年の時が経ったこの館を取材しようと思います。」
どこだ?ここ?

監督「はーいカーーット。OKだよ羽音(わおん)ちゃん。と〜ってもいい声で痺れたよ〜。」
羽音「ありがとうございます。この調子でがんばりますっ。」
監督「うんうんがんばっちゃって〜。」
なにが起きてるんだ?

監督「おいAD、羽音ちゃんに飲み物早く持ってこいや!ちっ、使えんグズだな。」
AD?
ここにいるのはさっき長々と喋っていた羽音という女性、カーーットとか気持ち悪いこと言ってた男。
それと本格的なカメラを使ってる男。

カメラマン「おいお前呼ばれてるぞ。そこのクーラーボックスから適当なの持ってった方がいいぞ。」
カメラを使っている男が俺に声をかけてきた。
ん、つまり・・ADって俺のことか?
間違っていたらその時はその時だ。
俺は言われたところに置いてあるクーラーボックスからお茶とジュースを持っていった。

監督「おせーよグズ。」
羽音「ありがとうADくん。」
同じことしてても対応に違いありすぎ。
偉くなると口が悪くなるのはなぜだろうね。

直「カメラマンさんもどうぞ。」
カメラマン「お、サンキュ。喉渇いてたんだよ。」
直「ここにいるのって俺たち4人だけですか?」
カメラマン「そーだよ。お前の初仕事がこんなちっぽけなので残念だったな。」
初仕事?ここでの俺はいくつなんだろう?
というか監督がいて、リポーターがいて、カメラマンがいて、新人AD・・普通新人にはサポートというか教育係つけるだろう?
OJT(オンザジョブトレーニング:現場で指導を受けながら仕事を覚える手法)は採用していませんってことなのか?

監督「おーいお前らちょっと来い。」
監督が呼んでいるのでカメラマンさんと向かう。

監督「撮影に向いてるおどろおどろした感じの部屋探してこい。視聴者がびびってお風呂入れなくなりそうな部屋をな。」
カメラマン「怖すぎてもNGじゃないっすか?」
監督「そこはこう、お前らの若い感性を使って絶妙な具合の部屋を捜すんだよ。行間を読めよ行間を。」
カメラマン「(無能な上司だから説明できないんだろ死ね)」
ぼそっとカメラマンさんが毒をはく。
俺こういう職場は苦手なんだよな。萎縮しちゃうというか。
和気あいあいとしたところがいいってわけでもないけど・・エネルギーを内側に発揮するんじゃなくて、外側に向けられる職場が好きだな。

カメラマン「じゃあ行くか。適当に分かれて捜そうぜ。」
直「ですね。」
監督「おっとちょい待て。お前らは2階担当な。オレと羽音ちゃんで1階調べるから。」
カメラマン「(チッ)わかりやしたー。」
直「では2階行ってきます。」
こういう屋敷だと地下室が定番だと思うのは俺だけだろうか。
血を抜くと言えば吸血鬼。
太陽の光が弱点だから日の光が当たらない地下室に棺桶(寝室)を作るんじゃないかなー。

カメラマン「なあなんでこんな撮影してるか知ってるか?」
直「え、いえ・・事件を風化させないためですか?」
階段を上ってる最中、カメラマンさんが話しかけてきた。

カメラマン「ここだけの話、あの色ボケが羽音ちゃんを口説くだめだけに企画されたらしいぞ。」
直「いやわざわざお金かけてそんなこと・・。」
カメラマン「それがマジなんだって。羽音ちゃんアイドルグループ脱退してから最近落ち目だろ?・・枕営業だぜこれ。」
落ち目かどうかは知らないけど、そういう企画ってお仲間というか信頼をおける人を連れていくもんじゃないのか。
ネットに流したら大変な話になるかもな。

カメラマン「実はさ、オレ羽音ちゃんのファンなんだよな。あんな男に羽音ちゃんが犯される事態になったらなにしでかすかわかんねーぜ。」
枕営業なうとかツイートでもする?
・・警察の世話になるようなことはしないでほしい。
なんか大変なところに来ちゃったな。
何事もなければいいけど。 ←フラグ

・・
・・・・

うーん寝室がない。
2階を探索しているけど、寝室が見当たらない。
本当に吸血鬼が住んでた家ってことはないよね?
家によっては1階に寝室があることもよくあるし、うんきっとそうに違いない。

・・調べてみるか。
壁抜けできる幽体にとって地下室の入り口がどこにあるかなんて関係ない。
とにかく下を目指せばいいだけの話。
(夜じゃないけど)幽体離脱の時間だ!

幽体離脱VS吸血鬼
俺攻撃手段ないやん。
地下がありませんようにと祈りながら幽体になる。
ここが未来なのか過去なのかわからないけど、いつでも幽体離脱できるのは助かる。
肉体依存のものじゃないってことなのだろうか?でも肉体があるから精神が存在すると思うんだけどなー。

考え事をしながら下の階へ。

waonn

ぶっ!?
なんだこれ?
羽音さんが監督に服を脱がされてる?

羽音「か、監督やめてくださいっ。」
監督「ははは、やめろと言ってやめるバカはいねえよ。別になにもしないから、ちょーっと仲良くなろうってだけだって。」
羽音「こんなのいけないことです。」
監督「いいかい羽音ちゃん、いいことかいけないことかどうかはオレが決めるんだ。羽音ちゃんはオレに従っていれば幸せになれるよ。」
羽音「そ、そんな・・。」
監督「わかったらパンツも脱ぎ脱ぎしようね。その後は・・むふふ。」
羽音「あ、あの私・・お付き合いしている人が・・いますから・・」
監督「あっそう。」
気にせず監督は羽音さんのパンツを脱がしていく。
ゆっくりと足の先まで脱がされ、羽音さんの身を守る衣類は無くなってしまった。

監督「うんうんオレが見込んだ通りいい身体をしてる。そんな怖がらなくていいから、さ、足を広げて。」
羽音「い、いやぁ。」
監督「いいねいいね、嫌がるほどおじさん萌えちゃうよ。この固い門を開いてチンコぶちこむ時の達成感は格別なんだよね。」
羽音「いや、いや、だれか助けてっ。」
監督「だれも来ねえよ。それよりもオレと仲良くしてこれから楽しく仕事することを考えた方がいいと思わないか?」
羽音「思いませんっ。」
監督「もしかしてさ、羽音ちゃんの彼氏って業界人?」
羽音「え・・それがなにか・・?」
監督「彼氏の仕事も”応援”してあげられるんだけどなー。仕事バンバン与えて出世させてあげるよ。」
羽音「・・」
監督「でもさ、羽音ちゃん次第じゃ干されちゃうかもしれないよねー。いやオレがなにかするとかじゃなくてさ。」
羽音「そんな・・。」
監督「ぜーんぶ羽音ちゃん次第。少しでも抵抗したら・・どうなるかわかるよね?」
羽音「・・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・。」
監督「そうそう、抵抗なんて無駄なんだよ。でも心配しなくていいからね。彼氏のこと忘れるくらい気持ちよくしてあげるから。」
カメラマン「あのー監督どこですかー。」
監督が羽音さんの足を広げようとした時、カメラマンさんの声がした。
もう2階調べ終わったのかな?

監督「はえーってあのバカ!・・ちっ、羽音早く服着ろ!」
羽音「は、はい。」
カメラマン「監督ーどこっすかー。」
監督「ここだバカ!なんだこんな時に!」
カメラマン「2階見てきやしたー。あーなんかどの部屋も薄汚かったっす。」
監督「もう一人のバカはどうした!」
カメラマン「なんか気になることがあるとかぶつぶつ言ってましたけどー、監督にじゃないと話せないって言ってましたよ。」
え、俺のことだよねもう一人のバカって・・そんなこと言ってないけど・・。

監督「早い連れてこい!」
カメラマン「2階に行ってなんか見つけたのなら、監督がその場所に行って見た方がいいと思いますよ。だから降りてこないのかも。」
監督「オレに手間かけさせるとは新人も偉くなったもんだ。くそっ、くだらんものだったら干してやるからな!」
い・い・が・か・り・だーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
カメラマンさんは一体どういうつもりだ?
とにかく自分の身体に戻らないと。監督が来たらなんて答えようか・・。

カメラマン「羽音ちゃん大丈夫?」
羽音「え?あ、はい。」
カメラマン「実は羽音ちゃんが気になって降りてきたんだ。そしたらあの男が羽音ちゃんを襲ってたから一芝居うったんだ。」
羽音「あ・・ありがとうございます。おかげで助かりました。」
カメラマン「・・あーあのさ、個人の実力だけじゃなにかと難しかったりする業界だけどさ・・応援してる人はどこにでもいるから・・オレだって・・いや、撮影がんばろうな。」
羽音「はい・・ありがとうございます。」
なんかいい雰囲気だからちょっと話聞いてたけど、ところで俺は怒り狂った監督になんて言えばいいのさ。
急いで自分の身体に戻った・・が、どうする?

監督「おらADどこ行きやがった!下らん話ならぶっ殺すからな!」
ぶっ殺される〜。
他人事なら笑い話なんだけど、自分の身に降りかかってなんて冗談じゃない。
殺される前になにかいい案は、いい案・・いい餡子・・なんでこういう時に限って余計なこと考えるんだろう。

監督「ここか!?お、いたな。いやー下でカメラマンが言ったんだよ。お前が世紀の大発見をしたってさ。ちょっと見せてくれよ。」
うそっっ!?伝言ゲームってこんなにも話が変わるもんなの?
化石でも見つけたならそうかもしれないけどさ・・ここで見つかるのは精々死体くらいですよ。

直「か、監督はこの番組をどういう風にするつもりですか?」
監督「は?なんでんなこと言わなきゃいけないんだよ。」
直「まあまあ、物事には順序というものがありますから。」
監督「そういうの苦手なんだよな。楽しておいしいところをいただきまーすって・・」
監督「んーそうだな、適当に雰囲気だけ盛り上げて、どうでもいいことをさぞ恐ろしいことがあったかのようにでっち上げればいいんじゃね?」
直「そこに怖い噂話とか付け加えませんか?」
監督「バーカ。やりすぎると視聴者(笑)から苦情がくるし、やらせだって言われたらオレ様の名誉に傷が付く。」
名誉(笑)ねえ・・こんな人にもあるんだ・・名誉(笑)

直「テレビに流す必要はありませんよ。例えば、羽音さんにここでの怖い逸話を伝えるんですよ。」
監督「んで?(鼻ほじほじ)」
直「そうすると羽音さんがリポートする時により雰囲気が出ると思いませんか?」
監督「あーそーだね(耳ほじほじ)」
直「本気で怖がったら近くの男性に身を寄せたりとか。」
監督「そういうことは早く言え!んでその怖い逸話は考えているんだろうな!?え?まさかここまできてぬか喜びさせないよなぁAD様はよぉ。」
男がドアップにならないで欲しい。
つーか考えていませんっ。

直「えーとですね、イメージとして、この状況に似た話にするのはどうでしょう?」
監督「もっとわかりやすく言え。オレのように!」
つっこみたい。だが俺の(新人という)立場からは難しいだろう。
とりあえず身を守るのが先だ。

直「例えばそこに絵が飾ってあるでしょう?この絵を落ちやすくするんですよ。で、羽音ちゃんを連れてきて・・」
監督「なーる、タイミングよく絵が落ちたら羽音ちゃんびびるってことか。」
直「はい。基本はそういう小さなその場限りの恐怖を与え続け、羽音ちゃんの限界が来たところで・・」
監督「来たところで?」
なんて言おう。なにか怖がりそうなこと怖がりそうなこと・・。

直「入り口の扉が開かなくなり外に出られなくなるんです。」
監督「どうやってだよ!内側からならいくらでも開けられるし、窓からも外に出られるぞおい。」
直「・・えーと、ちょっと考えさせて下さい。」
監督「んったくもっとアイデアは煮詰めてから言えよな。だから新人はつかえねえんだよ。」
直「すみません。」
一応ごまかせたようだ。
にしても・・こうやって俺は汚い大人になるんだろうか。

監督「じゃあ羽音ちゃん連れてくるからお前はそこの絵を細工しといてくれ。」
直「え?」
監督「え?じゃねーよ。羽音ちゃんが来たら上手く落としてくれよ。ひひひ。」
俺の意見採用してるし。
新人はつかえないんじゃなかったのかよ。まあいいけどさ。
がちゃ。

羽音「あの、なにかありましたか?中々戻ってこないから気になって来てしまいましたけど・・。」
カメラマン「どーも。」
監督が呼びに行く前に二人とも来てしまった。

監督「(おいどうする?こいつら来ちゃったぞ)」
直「(打ち合わせと言って二人を部屋の外に連れていくんです。残った俺は絵を細工してから行きます)」
監督「(おーしいい返事だ。上手くいったら次もつかってやるぞ)」
お断りしたいです。

ガタンっ!ドンッ!

監督「え・・」
いきなり絵が床に落ちた。
まだ細工していないのに・・偶然って怖いな。

羽音「ど、どうしてひとりでに絵が落ちたの・・?」
直「ここの主ってまだ見つかってないんですよね?もしかしたらまだこの館に隠れ住んでいたりするんじゃないですか?」
監督「そういえば噂で聞いたことがある。館の秘密を調べに来た者は全員殺されてしまうって。」
羽音「じょ、冗談ですよね?」
監督「いやこのことは一部の関係者しか知らないことなんだが、逃げられないようにやってきた車がいつの間にか処分されるそうだ。」
監督「そしてすぐ雨が降る。この辺に他の家は無いし当然この館へ・・死のパーティが幕開けだ。」
羽音「や、やめてください私そういうの苦手なんですっ。」
カメラマン「大丈夫だよ羽音ちゃん。オレがついてる。不安なら車を見に行こうか。」
羽音「あ、はい。」
監督が余計なこと?を言ったので車を見に行くことに。

・・・・

カメラマン「あれ!?」
監督「車が無い!!」
羽音「うそっ、なんでなんで?」
館に来る前の記憶がない俺からは、ここに駐車してたのかどうかすらわからないんだが。

直「本当にここへ駐車していたんでしたっけ?」
監督「本当だよマジだよ(でかしたぞおい。こうなると予想して移動させといたんだな)」
直「(いえ知りませんよ。第一俺は車の鍵を持っていません)」
監督「(そういや鍵もってんのオレだ)」
直「(自分で動かしたのでは?)」
監督「(んな面倒なことしねえよ。お前かカメラマンにやらせるって)」
なるほど説得力のある発言だ。
でもそうするとだれが動かしたんだろう?
まさか吸血鬼が車に乗って運転したわけじゃないだろうし。

カメラマン「どうします?車が無いと街に戻れませんよ。」
監督「オレたちが戻らなければ旅館の人が気づくだろう。明日にはだれか迎えに来てくれる。」
カメラマン「え、じゃあ泊まりですか?・・この館に。」
監督「ぐへへ、そうするしかあるまい。」
またなにかよからぬことを考えてるっぽいな。
どうせ羽音さんと一緒に寝ようとかだろうけど。

羽音「ADくん、なんでこんなことになったかわかる?」
直「わからないけど、出来るだけみんなで行動した方が安全かもね。」
羽音「うん・・ADくんもそばにいてくれるよね?」
直「あ、ああもちろん。」
羽音「嬉しいっ、ありがとうね。」
・・アイドルはこうやってファンを増やしていくのかな。
ここから出たらCDと写真集くらい買っておくか。
リポーターになってからのはないのかな?

・・
・・・・

監督「3・・2・・1・・」
羽音「私たちは若い女性の遺体が見つかった部屋へ来ています。」
羽音「現在はこのように荒れ果てており、ただただ時だけが過ぎていったという印象を受けます。」
羽音「一体十年前になにがあったのでしょうか?地元の人たちに話を聞いてみました。」
監督「はいカーットぉ。この調子で撮影を終わらせとこうね!」
羽音「は、はい。でもなんだか怖いですね、もしかしたら犯人がこの館に潜んでいると思うと・・。」
監督「はははそんなやついないって。もしいたらオレが倒してやるからさ。」
羽音「ですが・・雨も降ってきましたけど・・。」
そう、俺たちが撮影を再開する少し前、雨が降ってきたのだ。
まるで監督の話が本当であるかのように。

・・・・

撮影は順調に終わり、夜もふけてきた。

羽音「あの、暗くなってきましたけど電気とかは・・」
監督「持ち主が行方不明なんだから電気代なんか払われないだろ。」
羽音「それもそうですよね・・なんか怖い・・。」
ちょっと待て。固定資産税はだれが払ってるんだ?
十年も持ち主不明のまま放っておくなんて役所が黙ってないだr・・これもまあお役所仕事っていうのかな。

カメラマン「寝るのはどうしますか?寝室が2つありましたけど。」
監督「4人いるから2人2人だろ。オレと羽音ちゃんグループ、お前ら下っ端グループ。完璧。」
カメラマン「待って下さいよ。女の子と一緒のベッドで寝るのはダメでしょ。」
監督「オレがルールだ。クビになりたいのか?」
カメラマン「・・ちっ、クソが。」
監督「ふん悔しかったら偉くなるんだなオレのように。で、お前も不満ないよな?」
直「ええ別に。」
それより気になることがある。
ここって私物が全然ないんだよな。だから寝室というより客室じゃないか?
もしくはさらった女の子とエッチする部屋とか?
まあいいか。どちらにしろ新人の俺はベッド使わせてもらえないだろうな。
2階にソファーがあったからそこで寝るか。

監督「おーしじゃあ寝るか。」
カメラマン「早くないですか?」
監督「ばっか言うな。暗い夜は寝る、日が昇ったら起きる、それが基本だ。それより入り口の大広間にライト当てとけよ。」
カメラマン「・・ぅいーっす。」
監督「んーふふふ、よーしじゃ解散。明日は6時に集まるんだぞ。さー羽音ちゃん、オレたちの寝室へ行こうねー。」
監督は羽音さんを連れて部屋へ入っていった。

カメラマン「・・くそあの御利益のない鏡餅が・・羽音ちゃんに手ぇ出したら殺ス。」
鏡餅?ああ腹の段差がか。

カメラマン「なあどうすれば羽音ちゃんを守れると思う?」
直「そうですね、とっとと寝てもらうとか?」
カメラマン「それをどうすればいいかって話だよ!」
直「お酒とか持ってきてない・・ですよね。」
カメラマン「たりめえだろ・・ん、お前いいこと言った!そうだ酒だよ。こんな館に住んでたやつだろ、きっとワインとか貯蔵してるぜ絶対。」
そりゃワインとか保存しっかりすれば長いこと持つけどさ・・。
絶対泥棒が盗んでると思う。
もしくは保存失敗してるかと・・温度湿度とかどうやって調整してるって話だよ。
だけどまあ、俺が飲むわけじゃないしいいか。

・・・・

カメラマンさんと台所に来た。
ワインって貯蔵庫に保存するもんじゃないっけ?

カメラマン「おーあるある。床下収納に・・日本酒があるぜ!」
日本酒おいっ。
こんな館まで用意して日本酒って、えー。

カメラマン「お前ちょっと味見してみろ。」
直「え?俺が?」
カメラマン「腐ってたらまずいだろ。」
まあ色んな意味でまずいなそれは。
で、それを飲まないといけないのか。

カメラマン「ほいコップ。ちょっと注ぐだけだから心配すんな。」
やだけど飲むか。新人のつらいとこだな・・ま、断ろうと思えば断れるけど(←強がり)
ごくっ・・普通においしい。

直「もう一杯飲めばわかると思います。」
カメラマン「なら問題無さそうだな。」
直「うおーん?」
見抜かれていたとは・・別にお酒好きじゃないけどこの日本酒はおいしかったな。

カメラマンさんはお酒の差し入れに行き、俺は台所を調べることにした。
十年前のお酒にしては保存がよすぎじゃないか?
他にもなにかあるかもしれない。とりあえず冷蔵庫の中を見てみた。
・・空っぽだ。
それもそうだ。電気も通ってないんだし。

テーブルの上にはなにもないし、戸棚を見ても・・けほっ、ここほこりがすごいな。
あれ、今までほこりなんて全然なかったのに・・ん?そういや床もベッドも綺麗だったな。
おかしくないか?十年は放置されていたのにベッドがほこりっぽくないなんて・・。
だれかが掃除していた?いや使っていた?
まさかなははは。
・・・・なんだか何者かに見張られている・・そんな気がしてきた。
この食器棚のガラスに写った俺がにやりと笑うんじゃないか?いやんなことありえないけど。

もう少ししっかり調べた方がいいのでは?今度は”人がいること”を前提にしてさ。
タンスの中とかベッドの下とか・・ベッドの下?
もしそこにだれか隠れていたら・・眠っているところを襲われたら危ない!
今すぐ確認・・・・でもいなかったらバカみたいだよな。
うーん、こういう時は幽体離脱だよな。
一家に一台幽体離脱セット!

・・
・・・・

まずはカメラマンさんと俺が寝るための寝室・・ベッドの下は・・・・なにもない。
次に隣の羽音さんと監督の寝室。
カメラマンさん上手くやったかな?

・・
・・・・

時間は少し前にさかのぼる・・。

監督「さあさあ早くベッドに来なよ羽音ちゃん。温めてあげるよ。」
羽音「い、いえ。私は他の部屋で休みますから・・。」
監督「そんなんじゃ明日に響いちゃうよ。ほらほらこっち来なよ。気持ちよくなれるようふふ。」
羽音「・・」
監督「早く来いって言ってんだろ!干されたいのかガキが!」
羽音「あぅ、、わ、わかり・・ました。」
カメラマン「ちーっす眠れない夜を過ごしてたりしてませんかー?」
いきなりドアが開きカメラマンが入ってきた。

監督「てめえなにしに来やがった!?」
カメラマン「お酒持って来たんすよ。少しくらい飲んで方が何事も上手くいくと思いませんか?」
監督「酒〜?んなもんどっから持ってきたんだよ。」
カメラマン「台所の床下に。あ、ちゃんとADに毒見させましたけど大丈夫でしたよ。もう一杯って言うくらいでしたし。」
監督「ふ〜ん。」
カメラマン「ほら羽音ちゃん注いであげて。」
羽音「あ、はい。」
羽音さんに日本酒を注がれてぐいっと一気飲みする監督。
飲んだ後の”ふぅ〜〜〜”がジジくさかった。

監督「うめえじゃねえか。こりゃあれだな。昨年発売されたやつだな。」
カメラマン「十年だれもいなかったのに、昨年発売されたのがあるわけないじゃないですか。」
監督「はいはいお前がそんなに転職したかったなんて知らなったわ。」
カメラマン「えー。」
監督「あー生き返る・・やっぱ酒はいいなぁ・・。」
かくん、と監督の首がうなだれる。
死んだ?いや寝たようだ。寝息が聞こえる。

カメラマン「睡眠薬入りの酒が効いたみたいだな・・これでもう安心だよ羽音ちゃん。」
羽音「あ、ありがとうございますカメラマンさん。」
カメラマン「おらベッド占領してんじゃねーよ。羽音ちゃんが寝られねーじゃねえか。」
ドンッ。
カメラマンは監督を蹴り飛ばしてベッドから落とした。
盛大な音とともに監督は床に落ちる。

羽音「あ、私は構いませんから監督さんを寝かせてあげてください。」
カメラマン「羽音ちゃんは優しいなぁ。じゃあ羽音ちゃんは隣のベッドで寝なよ。」
羽音「隣はカメラマンさんとADさんの部屋じゃないですか?」
カメラマン「いいっていいって。なんならさ、一緒に寝る?」
羽音「い、いえ。私は適当にソファーを見つけて休みますから。カメラマンさんは気にしないで隣のベッドで寝てください。」
カメラマン「本当に羽音ちゃんはかわいいなぁ・・もう我慢できないっ。」
羽音「え!?きゃあっ。」
カメラマンは羽音さんを壁においやり強引に服を引きちぎった。
上着のボタンがはじけブラジャーのホックが外れ床に落ちる。
前がはだけふっくらした胸が露わになった。

カメラマン「おおう、こ、これが羽音ちゃんの胸・・はあはあ。」
羽音「あの・・冗談ですよね?」
カメラマン「ももももちろんだよ。だからさ・・スカートも脱いじゃおうよ!」
ビリビリっ。
カメラマンの手によってスカートが破かれ床に落ちた。

カメラマン「ガーターとは大人の女性だねえ。オレのためにはいてきてくれて嬉しいよ。」
羽音「え、あの・・。」
血走った目で暴力的に服を破るカメラマンに羽音さんはどうすることも出来ずにいた。
どうやら恐怖で萎縮してしまったようだ。

カメラマン「さ、さ、かわいーおパンツを脱ぎ脱ぎしましょうね〜。」
膝立ちしてパンツの目の前に顔を持ってきてからゆっくりと脱がし始めた。

カメラマン「おーなんてかわいい割れ目ちゃん。オレの想像通りだよ!」
羽音「もう許して・・。」
カメラマン「許す?羽音ちゃんなにか誤解してるようだけど、オレが羽音ちゃんを守ってやったんだからな?オレがいなかったら今頃最低な監督に犯られてたんだぞ。」
羽音「うんそれについては感謝してるから。だからもうやめよう、ね?」
カメラマン「やめる?なに言ってんだよ。これから羽音ちゃんを救った報酬として一発犯らせてもらうんだから。」
羽音「うそ、うそ・・。」
カメラマンは服を脱ぎ裸になった。
股間の一物は既にギンギンになっていて、男の欲望がそこへ凝縮されていた。
少し弧を描いているそれは羽音さんの股に入り込み、刺激を求めて擦りつけた。

カメラマン「うう、スマタ気持ちええ。オレの神経が股間に集中してるよ。これが奇跡か!」
羽音「そ、そうかもね。」
苦笑いして羽音はこのまま終わって欲しいと心の中で願った。

カメラマン「あぅお・・イキそ・・。」
羽音「う、うん。そのままイって、ね・・。」
カメラマン「ぅおおイクイクイクぞぉぉっ。」
突然カメラマンが強引に羽音の足を開かせ、割れ目にイク寸前のモノをねじ込んだ。
ドクンッ、ドクンッドクンッ・・ビュルルっ、ビュルルっ、ビュルっ・・。

羽音「え・・そんな、うそ・・。」
温かい男の精液が身体の中に注がれるのを、どうしたらいいかわからずに受け入れてしまった。
気がついて逃げようとした時には、カメラマンに強く腰を抑えつけられていて逃げられなかった。
そして・・カメラマンが出すのを終えるまで結局なにも出来ずにいた。

waonn

・・
・・・・

・・カメラマンさんがお酒持って行ってからなにがあったんだ?
監督が床で寝ているしカメラマンさんが裸で笑っているし羽音さんが半脱ぎで泣いてるし。
こんな事件の起きた館にいるとみんなおかしくなるのだろうか?
お酒に変な成分でも入っていた?俺もちょっと飲んじゃったのに・・。
っどうしたものか困るけど、とりあえずベッドの下を調べてるか。元々そのつもりだったし。

シーツをすり抜けしてベッドの下を確認。
なんか暗い?いや違う・・なにかいる!?

?「みーつけた。」
ベッドの下にいるなにかは、幽体である俺に対してはっきりとそう言った。

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