―――気がついたらあっという間に終わる物語―――

俺は、とあるマンション近くのコンビニでみんなが来るのを待っていた。

約束の時間は8時半。
今は8時20分。
どうやら俺が一番早く来たらしい。

昨日?は準備を怠ってしまったから、今日は万全の準備をしてきた。

まずはお菓子!
どんなことが起きるかわからない。
そんな時にお腹空いて頭が働かない、身体が動かないなんて事態になったら大変だ。
お菓子はすぐに手軽に食べることが出来るので、非常食としてはとても有効だ。
もちろん飲み物も携帯してる。

次に防犯ブザー!
危険が迫った時、これを使えば近くの人に助けを呼べる。
子供だけじゃ心配だからな。女の子3人、男1人じゃ危険に対抗しきれない。
これでいざという時のリスクが下がる。

最後に爆竹+ライター!
防犯ブザーだけじゃあ自分の身を守れるかわからない。女の子も守らないといけないしな。
そんな時、すぐに力となる武器。
刃物は所持してたら罪になるからな・・花火なら逮捕はないだろう。
しかも武器としては結構痛い。
昔、火をつけた爆竹を俺に投げつけたやつがいたけど、あの時はものすごく痛かった。
やけどもしたし・・あ、悲しくなってきた・・。

既にちょっと精神的ダメージを受けながら、俺は冒険心に燃えていた。

黒田「なんか、楽しそうだね。」
栗本「うわっ、黒田さん?」
いつの間にか隣に黒田さんが来ていた。
うん、私服姿はかわいいです。制服とは違う趣があるよな。
スカート+ワンピースは基本だよな!?

黒田「おはよう。栗本くん一番乗りだね。」
栗本「あ、おはよ。集合時間内ならみんな一緒だよ。」
黒田「瀬間さんと戸矢羅さんはまだ来てないんだ。」
栗本「そうみたい。」
現在8時25分。確か瀬間さんは約束の時間ぴったりを狙ってくるんだっけ。
後5分か。適当に時間潰しとくか。

黒田「じゃーその間におやつでも買っとこー。」
栗本「黒田さんは、普段どんなおやつ食べてるの?」
黒田「ヨーグルトが多いよ〜。健康には気を使わないとね。」
老いを気にしだすOLみたいだな。
まだ気にする年じゃないのに・・いや、普段から気を遣うことがかわいさの秘訣か?

あ。
しばらくすると、瀬間さんがコンビニの中に入ってきた。
待ち合わせの時間ぴったりだ。すげえな。
多分戸矢羅さんもすこし離れたところにいるだろうな、うんいつも通りいつも通り。

栗本「おはよう瀬間さん。」
瀬間「おはよう。相変わらずヘタレ顔ですね。」
どんな顔だよ?

栗本「まあそれはいいとして、戸矢羅さんはいつも通り?」
瀬間「はい、いつも通りですよ。ほら、そこの電信柱の影でこっち見てるでしょう?」
栗本「・・・なんか睨んでるみたいなんだけど・・・。」
瀬間「多分私と話してるからじゃないですか?今頃栗本くんへの怨念ポイントが加算されてますよ。」
栗本「ちなみにそれ、増えるとどうなるの?」
あんまり聞きたくないけど、一応聞く。

瀬間「ん〜、夜道は気をつけましょうって状態になります。」
栗本「早く戸矢羅さん呼んで。完全に誤解だから。」
瀬間「ですよね〜。栗本くんはありえませんよ。」
・・・・かなりショックなんですけど・・・・。

手招きして戸矢羅さんを呼ぶ瀬間さんを見る。
ふむふむ、ハーフパンツか。
体操着とはまた違う感じがいいですな。
動きやすさを優先したのかな?

瀬間さんに手招きされた戸矢羅さんがコンビニに入ってくる。
こ、これは・・ホットパンツとは・・。
生足が・・生足が・・これは・・かなりいいです!
ポイント?高めだよーーー。

栗本「おはよう戸矢羅さん。」
戸矢羅「ぶつぶつ・・死ねクズ。」
ひとまずツン状態なんだと思うことにしました。絶対違うだろうけど。

瀬間「黒田さんは?」
栗本「多分ヨーグルトが置かれてる棚にいると思う。おやつ買うって言ってたから。」
瀬間「なんと・・?まったく、小腹が空いたのならサラダでも食べればいいのに。」
黒田さんも瀬間さんも健康志向なんだね。
俺みたいな”おやつと言ったらスナック菓子”という考えではなさそうだ。
戸矢羅さんが、お腹空いたら瀬間ちゃんのことを考えるとお腹いっぱい。って言ってたけど無視した。
そんなんできるなら世の女性は苦労しないよ。
みんな苦労してんだよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーはっ、俺はなにを言ってんだ・・?まるでなにかに憑かれたような・・?

黒田「あ、瀬間さん戸矢羅さんおはよー。ねえねえ、新製品あったから買っちゃった。」
瀬間「ほほー、それは興味あります。成分表示見せてくれませんか?」
黒田「うん、いいよ。」
成分?普通は何味とか、パッケージの見た目とか気にするとこじゃない?

瀬間さんと黒田さんがワイワイやってて、戸矢羅さんが温かい目でそれを見る。
俺、なにすればいいんだ?ガールズトークには混ざれないし、戸矢羅さんみたいに見てたら変態だよな。

黒田「栗本くんも見てよー。ほら、バナナ入りなの。」
バナナ?あれ、賞味期限とか大丈夫なのそれ?
まあヨーグルトにバナナは合うけどさ。

とはいえここは空気を読んで、と。
栗本「へぇ、おいしそうだね。」
黒田「うん、身体にもいいんだよ。ね、みんなの分買ったから、表で食べよう。」
瀬間「のんびりしてないで早く行動です。」
あ、瀬間さんの目の中がヨーグルトになってる。食べたいんだな。

栗本「もしかして、瀬間さん朝ご飯食べてない?」
瀬間「いえ、食べましたよ。ですが、甘いものは無限に入ります。」
いやいや、無限じゃないだろ。
黒田「いくらでも入っちゃうから困るよねー。」
瀬間「ねー。」
・・仲いいな二人とも。
戸矢羅さんがはぁはぁしてるのは見ないふりをした。

・・・・表に出て、4人でヨーグルトを立ち食い。
女の子3人と一緒にヨーグルトを食べる・・まあ悪い気はしないな。

瀬間「最近、どろっとしたヨーグルトが出てますが、やっぱり固形タイプがいいですよね〜。」
黒田「私はどっちも好きだよ〜。おいしければね。」
戸矢羅さんが、瀬間ちゃんが一番好・・・・もういい、略。

黒田「・・ふぁあ、おいしかった〜。じゃあ帰る?」
え?
瀬間「そうですね。満足です。」
栗本「ちょっと待って。あのマンションに用があるんでしょ?」
何のために集まったのさ?まさかヨーグルトを食べるのが目的じゃないよね?

瀬間「いいですか、栗本くん。よく考えてください。」
栗本「何を?」
瀬間「私たちの持ち物は明日になったら元に戻ります。ですが、私たち自身は戻りません。いいたいこと、わかりますよね?」
栗本「全然わからん。」
瀬間「つまり、おいしいもの食べ放題。明日になればお金は元に戻ります。」
なん・・だと?

栗本「じゃあちょっとおもしろそうかな?って思ってたゲームを買って遊んでみて、つまらなくても明日になれば元通りってことか。」
瀬間「そういうことです。マンションを調べるのと、遊ぶのどっちがいいですか?」
栗本「遊ぶ!!!」
やべえ、貯金下ろさなきゃ。
どうしようかなぁ、今日一日じゃあ遊びきれないや。

瀬間「まあゲームの場合、家にだれかいたら難しいですけどね。学校は?って聞かれますよ。」
栗本「あ、そうか・・放課後の時間まで出来ないのか・・しゃあない、ゲーセンでも行くか。」
黒田「ゲームセンター?私も行ってみたいな。」
瀬間「では今日はゲームセンターで遊びまくりましょう。」
黒田・栗本「おー。」
やべえ、今日は最高の一日になりそうだ。


4人でバスに乗り、郊外の大きなゲーセンへ行った。
黒田「ふぁあ、広いね〜。」
瀬間「ここは初めて来ますが、大きなゲームセンターって中々迫力ありますね。」
栗本「店にもよるけどね。ここ、クレーンゲーム充実してるから女の子でも楽しめると思うよ。」
黒田「ようし、ハーゲンをゲットしちゃうよ。」
うおっ、いきなり高難度なやつにチャレンジするのか。

栗本「えっと、瀬間さんと戸矢羅さんはどうするの?」
瀬間「自販機のアイスでも食べながらどれで遊ぶか選びます。」
戸矢羅「ゲームしてる瀬間ちゃんを見てます。」
ま、まあ、楽しみ方は人それぞれだな、うん。

瀬間「栗本くんはなにで遊ぶんですか?」
栗本「あんまりバラバラなのもあれだし、ひとまず黒田さんについてくよ。」
瀬間「そのまま付き合っちゃえ。」
栗本「いや、俺にはもちが・・」
瀬間「既にふられ状態なんですから、早く諦めたらどうです?」
栗本「週末に助けるんでしょ?諦めるのは早いよ。」
瀬間「ちっ、ライバルは潰したいのに。」
知らんよそんなの。仲いいのか悪いのかわからんな・・。

栗本「まあいいや。とりあえず行ってくる。」
既に失敗したらしく、黒田さんがうーうー言ってる。

栗本「はは、中々難しいよね。」
黒田「普通にスーパーで買った方が安くない?」
スーパーで買うよりも安くとれたら、ゲーセンが潰れるよ。
ものによっては、たまにおいしい取り方があったりして、同じお菓子が大量に取れることはあるけどさ。
それでも大半のゲームは遊ぶ側が損をするシステムだよな。

黒田「栗本くん、攻略法は?」
栗本「いや、知らんけど・・とりあえずアームをどこに引っ掛けるか考えた方がいいんじゃないかな?」
黒田「・・ふたのところかな?」
まあそうなるかな。
再び黒田さんがチャレンジ。

そして・・失敗。
黒田「ふみゃ〜。ハーゲン食べたいよ〜。」
栗本「えっと、後で買ってあげるからそう落ち込まないで。」
どうせ明日になれば全部戻るんだし。

黒田「栗本くん・・ありがとう。」
瀬間「ふはははは、中々苦労してるみたいですね。」
結構いい雰囲気かなって思ったら、瀬間さんが乱入して来た。
つーか、あなたが邪魔してどうすんだ?

って、
栗本「なにその戦利品?」
瀬間さんが、大量のお菓子を抱えていた。
瀬間「あそこのゲーム、アームで押すと簡単に落ちますよ。向こうのは端っこ掴むとすぐですし。」
すげえ・・瀬間さんすげえよ。

黒田「瀬間さぁん。これも取ってぇ。」
瀬間「いえ・・こういうのは客寄せ用でしょう?設定は厳しくなってるはずです。」
お、瀬間さんわかってますね。
おいしい設定の微妙な人気のと、超厳しい設定の人気のゲームがあるよね。
まあ、店によっては全部超厳しい設定だったりするけど。
アームが、アームが全体的にパワー出ない・・なんて店は俺的ブラックリストだ。

瀬間「ま、一回だけですよ。」
どうせリセットされるんだし、何回でもやればいいのに・・と思うが、まあリセットされるにしても、現在の所持金には限界があるか。
瀬間さんがアームを横、縦に動かす。
あとは野となれ山となれだ。

お。
アームがハーゲンのフタのところに入りこみ、持ち上がった。
落ちるな、落ちるなよ・・そのまま、そのまま・・・・おおっ。
がこっという音とともに、瀬間さんの勝利が確定した。

瀬間「おや、まあたまにはこういうこともありますよ。」
これに納得がいかないのは黒田さん。
顔を膨らませ、再びゲームにお金を吸い取られていった。

瀬間「うまく出来た搾取ゲームですよね。あの人がとれるんだから私にも・・っていう人間の心理をついてます。」
同じやり方をしてもうまくいかないことが多くて、どうしてうまくいかないのって言うんだよな。
むしろ取れる方が不思議で、うまくいかない方が普通なのに。

瀬間「ビギナーをターゲットにしたいい釣りゲームにしか見えませんよ。」
ああ、釣るのは店、釣られるのは客という釣りゲームか。
栗本「いや、結構マスターも釣られますよ。」
瀬間「多分それは、マスターじゃないんですよ。ビギナーを一段階超えた程度のザコです。」
ザコとまで・・せめてカモにしようよ・・変わらんか。

栗本「じゃあ、マスターってどういう人を指すと思います?」
瀬間「そうですね・・勝てない勝負はしない人ですかね。他人のプレイを見てうまい取り方がわかったり、搾取するタイプのゲームだと判断できる人でしょうか。」
自分は実験台にしない人か。

栗本「でも、搾取するタイプかどうかなんてわからないもんじゃない?」
瀬間「アームの強さとかは他の人のプレイを見るしかないですね。ですが、こういうのは見てわかるものですよ。」
瀬間さんが景品を指差した。

栗本「景品がどうかした?」
瀬間「いえ、景品を置いてあるところです。ここだけ周りと違くありませんか?」
栗本「そういや・・で、これがなんなの?」
瀬間「これは滑り止めです。これがあると80度傾いても景品が落ちません。素敵アイテムです。」
店にとっての素敵アイテムね。客からすると・・ラスボスかな?

栗本「ああ、すっごく景品がグラグラして落ちそうなのに・・落ちないってのがあったっけ。」
瀬間「そういうのなら、プレイする前にわかりますよ。ま、大抵のものについてますが。」
だよなぁ。

瀬間「ですが、それを知らないのと知ってるのでは全然違います。滑り止めを考慮したうえで、どこにアームをしかけるか考えれます。」
栗本「で、考慮したうえで取れないんだよね。」
瀬間「はい。最終的には運みたいなものです。いいですか、あのようになってはいけませんよ。」
瀬間さんが黒田さんを指す。
ええ、見事に反面教師となってくれてます。

さて、見てるだけなのもあれだし、俺もなにかしようかな・・。
んと、近くにライターのクレーンゲームがあって、ちょっと惹かれた。
ライターに、女の人のグラビアが印刷されてるやつだ。

こう・・つい見ちゃうよね。
女の子と来てるんだけどまあ、男にとってこれが別腹ってやつだ。
それはそれ、これはこれ。

一回くらいしてみようかな。
ど・れ・に・し・よ・う・か・な・・え?あれ?

瀬間「ほほー、栗本くんは男の子ですね。グラビアに興味がおあり?」
栗本「そうじゃないんだよ。これ見て。」
瀬間「・・ありゃ、もちさんですね。」
栗本「そうなんだよ。」
なんでもちがこんなところに?

瀬間「水着ですし、そこまで気にしなくてもいいのでは?こういう仕事もありますよきっと。」
栗本「・・・・なんか納得いかん。」
瀬間「気になるなら取ってあげたらどうですか?そうすればとりあえずここのは他の人に見られず済みますよ。」
栗本「よっしゃ、俺が必ず助けるからな。」
現実のもちさんも見てやってくださいね。と瀬間さんが言ったのがちょっと痛かった。

・・
・・・・
・・・・・・うがーーー。

とれん。

もう一回、もう一回・・。

後ろで、「瀬間ちゃん、あれなに?」「カモですよ奈氷見ちゃん」というやりとりが聞こえたが、無視無視。
どうせリセットされるんだ。いくらでも使っちゃる。

・・・・

メダルゲームで、メダルを大量投入してみたかったけど、その前にお昼になった。
お腹空いてきたなー。

栗本「なあ、そろそろお昼にしない?」
瀬間「え?」
ぼりぼり・・そこには景品の板チョコを食べている瀬間さんと戸矢羅さんがいた。

栗本「お昼ご飯・・入らなさそうだね。」
瀬間「軽食なら入りますよ。イチゴパフェを所望します。」
戸矢羅さんが、瀬間ちゃんを所望しますとか言ったので、どうぞと言っといた。

瀬間「黒田さんは?」
俺がどうぞと言ったせいか、戸矢羅さんに抱きつかれた瀬間さんが尋ねる。
栗本「さあ?ちょっと様子見てくるね。」
まさか、まだアイスとってんのか?

・・・・アイスとってたよ。
あ、
栗本「黒田さん、2つもとったんだね。」
黒田「ふぇーん、後1つがとれないよ〜。」
栗本「いや、別にとらなくていいんじゃない?」
後1つとってどうなるのさ?

黒田「瀬間さんが1つとったでしょ?だから3つあれば全員分になるの。」
黒田さん・・いい子や。
栗本「俺がコンビニで1つ買ってくるから。だから黒田さん、無理しないで。」
黒田「・・うん、ありがと。」
というわけで黒田さんを瀬間さん戸矢羅さんのところへ連れて行った。

瀬間「じゃあ、栗本くんはハーゲンを6つ買ってきてください。私たちはお菓子食べてますから。」
栗本「・・・・後1つじゃないの?」
瀬間「私がとったのはもう食べちゃったし、もっと食べたいです。」
自分の金で・・ああいや、どうせリセットされるんだし、別にいいか。
ATMで少しおろしたいし。

栗本「じゃ行ってくる。」
瀬間「きりきり行ってこーい。」
戸矢羅「こーい。」
今日は平日なのに瀬間さんと一緒にいられるのが嬉しいのか、戸矢羅さんはご機嫌だった。
うん、このまま朝のことは忘れて欲しいな。

ゲーセンのすぐ近くにコンビニがあり、5分ほどで着いた。
いくつか種類のある中、適当に6つ決めて購入した。

ゲーセンに戻る途中、国道の下・・薄暗く小さいトンネルの中で男女がエッチしてた。

付和癒

あ、あれ?あの人たち、女の子に首輪つけて散歩してた人たちだよね?
もうこんなところまで来てたのか。
あーいや、こんなところで何してんだ?

じっくり見ていたかったけど、アイスが溶けてしまうので(泣く泣く)ゲーセンへ急いだ。

栗本「ただいまー。」
黒田「おかえりなさい。コンビニ混んでた?」
栗本「そうでもなかったよ。平日の郊外店だし弁当見てる客が2,3人いた程度だった。」
瀬間「ふふふ、では例のブツを出しなさい。」
いや、アイスって言おうよ。

栗本「はい。味は好きなの選んでくれ。」
瀬間「早い者勝ちですね。もちろん栗本くんは残ったのです。」
同じのが2つ残らなければ構わんよ。
女が3人、男が1人。発言権が無いのは重々承知してます。

黒田さんがとったのが2つ、俺が買って来たのが6つ、人数は4人。
1人2つ食べれる。

まずは1つ目。
黒田「はぅ〜ん、おいし〜。」
瀬間「300円のアイスを買うのは悩むのに、外食のより高いデザートはそれほど迷わない不思議。」
あーそれはまあ、その店でしか食べれないという希少価値があるからじゃないかな?

戸矢羅「瀬間ちゃーん、はいあーん。」
瀬間「あーん。」
な・・これは・・。

瀬間「はい、お返し。あーん。」
戸矢羅「あーん。」
な、なんでだろう。すごく素敵です!!

瀬間「黒田さんもはい、あーん。」
黒田「ありがとー、あーん。パク。」

黒田「お返し、あーん。」
瀬間「あーん。」
うんうん。来てよかった!俺は今、人生のピークかもしれない。

瀬間「・・・・そんなにこっちを見ても、栗本くんとはしませんよ?」
戸矢羅「期待すんなバーカ。」
わかってるよ・・でも、淡い期待くらいはいいだろ?

栗本「そういやあんまり瀬間さん遊んでなかったけど、興味持てなかった?」
瀬間「いえ、そういうわけでは・・ただ、ちょっと・・。」
栗本「ちょっと?」
瀬間「本当に明日になったらリセットされる保障はないので。」

栗本「・・・・」
黒田「・・・・」

栗本「瀬間さん?」
黒田「そういうことは早く言ってよ?」
俺、さっきコンビニで2万おろしちゃったよ。
もちろん全額使う気で。

瀬間「まさか本気にするとは。」
黒田「恐ろしいドッキリだよ。」
栗本「もし明日リセットされなかったら・・・・あ、あれ?」
小遣い換算で、既に再来月ぶんまで使ってるよ。

黒田「うぅ・・現実の厳しさが身を持って実感できたよ。」
瀬間「まあまあ大丈夫ですよ、なにも解決してないのですから。これで明日リセットされなかったら笑い話です。」
笑えないよ・・。

気持ちがずーんと落ちたところで、午後からゲームに興じることはできなかった。
ゲットしたお菓子やアイスを食べたけど、もう少し食べたいとの声があったので、ファミレスへ行くことにした。

あんまりお金使ってなかった瀬間さんがおごってくれるそうで、、、助かります。

ファミレスで俺はハンバーグ定食、黒田さんは海鮮丼、瀬間さんと戸矢羅さんはお菓子を食べすぎたのか、軽めにうどんを注文した。
ちなみに、全員ドリンクバーも注文した。

瀬間「では食べながら作戦会議と行きましょうか。」
黒田「マンションを調べるの?」
瀬間「今から調べてもあんまり意味ないですよ。どちらかというと、うわさを調べようと思います。」
栗本「うわさ?」
瀬間「ええ、問題のあるところなら、悪いうわさくらい流れててもおかしくありません。近所を聞きこみです。」
・・・・知らない人と話すのか・・不審者扱いされたらどうしよう?

黒田「みんなで行くの?」
瀬間「いえ、1人でいいでしょう。みんなで押しかけても迷惑でしょうし。」
黒田「だれが行くの?」
瀬間「行きたい人います?」
しーん。

瀬間「まあ、私たちはぼっちの集まりのような関係ですし当然ですよね。」
え?そうなの?
瀬間「仕方ないです、一番社交的な奈氷見ちゃんにお願いするとしましょう。」
え?戸矢羅さんが一番社交的?

戸矢羅「やだやだ、瀬間ちゃんと離れたくないっ。」
瀬間「インカムで常に電話状態にしてれば話はできますよ。それに・・離れていても心は一つですよ。」
戸矢羅「瀬間ちゃん・・わかった、私がんばる。」
瀬間「うまく騙すことに成功しましたので、奈氷見ちゃんで決定です。」
騙すとか言ってるよ。本人目の前なのだがいいのか?

黒田「私たちは何すればいいのかな?」
瀬間「ま、ひとまず学校に仕掛けた奈氷見ちゃんのカメラ映像を確認する作業でもしましょうか。それならここでも出来ますし。」
黒田「戸矢羅さんいなくてもできるの?」
瀬間「私のスマートフォンに転送してもらいます。奈氷見ちゃんお願いね。」
戸矢羅「はーい。」
やることが決まったので、お昼ご飯を食べ終わってから行動開始となった。
とはいえ、戸矢羅さんがファミレスを出て例のマンションへ向かうだけで、俺たちはこのままファミレスでカメラ映像の確認だけど。

俺以外は食べ終わり、戸矢羅さんが早速マンションへ向かう。
瀬間「私たちもカメラ映像確認してみましょうか。」
黒田「うん。」
栗本「ごめん、俺食べながらになるから。」
瀬間「構いませんよ。ご飯粒を私のスマートフォンに飛ばさなければね。」
さすがにそれはしないよ。多分。

瀬間「さて・・・・たくさんカメラ仕掛けてますねー。栗本くんち用カメラもある。」
栗本「いや、なんで?削除してよ。」
瀬間「勝手に消すわけにはいきませんし。奈氷見ちゃん、声聞こえる?」
戸矢羅「はぁはぁ、ばっちりだよ。声だけってのも悪くないね。」
最初の”はぁはぁ”は余計だが、ちゃんとつながってるみたいだな。

瀬間「栗本くんが家に仕掛けられたカメラ消せって言ってるんだけど。」
戸矢羅「いいよ。右クリックして削除を選択すればいいから。」
栗本「あれ?思ったよりすんなり応じた。」
戸矢羅「本体が残ってるからここだけ消しても意味ないの。むしろ消さないとカメラの場所が特定されちゃう。」
瀬間「じゃあ消しまーす。」
栗本「いやいやいや、先にカメラの場所だけ特定させて。」
瀬間「ごめーん、消しちゃいました。」
わざとだ。絶対わざとだ。

瀬間「さて、では学校に仕掛けられた事故車が見れるカメラを映しまーす。」
黒田「今の映像見ても意味ないんじゃない?」
瀬間「いえいえ、ちゃんと巻戻しもできますから。」
黒田「それなら安心だね。あはは。」
瀬間「ふふふ、安心です。」
笑えない・・俺んちにカメラが・・。

瀬間「・・とりあえず今の状況を映してみましたが、まだ警察も事故車もありますね。」
黒田「学校はお昼の時間だから、生徒もちらほらいるね。」
瀬間「車の中は無人。もう救急車で搬送された後ですね。まあ当然ですが。」
黒田「じゃあ巻戻ししてみる?」
ええ、一気に事故時の映像にしてみます。。。と瀬間さんが言って、スマフォをいじり始める。

俺は泣きながらハンバーグを口に運ぶ。
しょっぱいな・・。

瀬間「大体このあたりですね。さて、消えた女の人はどこに行ったのか・・むぅ、不謹慎ですがわくわくします。」
黒田「いきなりこっち見て、呪ってやるとか言ったらどうしようかな?」
それ怖いから勘弁して。

戸矢羅「滅多にそんなことないから多分大丈夫だよ。」
電話先から戸矢羅さんの声が聞こえた。ちなみにスピーカーでみんなに聞こえるようにしてる。

黒田「あれ?滅多にって・・。」
戸矢羅「向こうがカメラに気付くとね。見られたくないシーンだと・・あはは。」
つーか、こええよ。そんなことあるんだ。

瀬間「来ました!」
どぉぉぉぉんっっっ・・と車が校舎にぶつかると同時に、大きな音がスマフォから響いた。
ってあれ?あんまり大きな音しないな。騒音対策か?最大音量制限とかできるのか?便利だなぁ。

瀬間「女の人はぶつかった衝撃で車内に倒れましたね。前回はそのため車の影に隠れてましたが、今回は大丈夫そうですね・・え?」
黒田「きゃあっ。」
倒れた女の人が起き上がり、こちらを向いて笑った。

黒田「にやっとした。こっち見てにやっとしたぁ。」
うぅぅ、と俺の腕に抱きつく。
どうしよう、俺もにやにやしちゃいそう。

瀬間「中々・・気分が悪くなる映像ですね。」
戸矢羅「こっちもその映像確認したよ。向こうはこっちに気付いているのかな?」
瀬間「奈氷見ちゃん、一旦戻ってきてください。そこは危険かもしれません。」
戸矢羅「らじゃー。」
瀬間さんがココアを一口飲み、ふぅっとためいきを漏らす。

瀬間「思ったより踏み込んでしまいましたね。こちらの存在に気付かれてしまいましたか。」
黒田「大丈夫なの?私たち呪い殺されちゃうの?」
瀬間「それは大丈夫でしょう。だれが仕掛けたかなんてわかりませんから。ですが、、、」
栗本「なにか気になる点でも?」
瀬間「カメラに気付いた。女の人は生きてます。ならどうしてカメラを回収してないのでしょう?」
確かに女の人は車内で倒れているが、一緒にいる男の様子を伺っている。
男は既に気を失っているのだが、生きてるかどうか確認してるようだ。

瀬間「それに・・だれが女の人を連れだしたかがまだわかってません。」
栗本「それはこの後の映像でわかるんだよな?」
瀬間「恐らくは。警察は男しかいなかったと言ってるのですから、警察が来る前・・でしょう。それにしても、下手なサスペンスより怖いですね、これ。」
黒田さん怯えちゃって、俺の腕を離してくれないよ。
俺も怖いけど、嬉しさもあって複雑だ。

うっ。
女の人が、車内からノートに”見てる?”って書いてカメラに見せた。

黒田「ぅう、ひっくっ。」
あ・・黒田さん泣きだしちゃったよ。

瀬間「・・奈氷見ちゃん、だれかにつけられてたりはしてませんよね?」
戸矢羅「んー今のところ大丈夫。そろそろそっち着くね。」
瀬間「ええ、十分注意してください。向こうはこちらに気付いています。」
戸矢羅「あはは、それはすごいね。久々の強敵だ。」
久々って、、、普段なにしてんの戸矢羅さん。悪を討つハンターとかじゃないよね?

瀬間「こういうのを相手にしたことあるのですか?」
戸矢羅「何回かね。同じタイプの人間はカメラに気付きやすいよ。相手を”見る”ことに意識してる人だね。まあ悪いことしてるのなら当然だけど。」
戸矢羅さんは、悪いことしてるって自覚はあるのだろうか?

瀬間「対処方は?」
戸矢羅「カメラからこちらが特定できないようにすることがまず第一。製造番号とかから足がつかないようにはしてるよ。後はできるだけ関わらないこと。」
今が超危ないじゃん。

瀬間「・・・ありがとう。じゃあファミレスで待ってます。」
はーい。と戸矢羅さんの明るい声がスピーカーから響いた。
俺たちがすごく落ち込んでる中、一人明るいな。
多分、瀬間さんにまた会えるからだろうけど。

瀬間「ふぅ、気が重いですがもう少し見てましょう。黒田さんはつらいならデザートでも頼んでてください。見なければまだましですよ。」
こくこくと黒田さんが頷くと、メニューを見始めた。
俺に抱きつくのを止めたのが残念だった。
まあこの状況じゃあ勃たないけど・・。

瀬間「栗本くんは見ててくださいね。男の子なんですから私を一人にしないでください。」
ちょっとドキッとしたけど、それどころじゃないな。うん、男として最後まで見てやる。

それからしばらく、車内の女はカメラに向かって一方的になにかを書いてはノートを見せた。

”暇だ〜”
”これ何回すればいいの?”
”仕事はつらいよね”
”って学生さんのかな?”
”それとも例の教師?”
”すごいよね〜”
”今回はカメラの位置ばっちり”
”警察まだー?”
”退屈で死にそー”
”あ、今回は危害加えないから”
”安心して”
”でも、次はわからないよ”
”寝てたら怒られるかな?”
”あ、来た来た”

それが最後のメッセージだった。
やってきたのは2人の警察。
だが、そのうちの1人が女の人に警察の制服を渡した。
車内で着替える女の人。
そして、警察の格好をして車内から降りた。

・・その後、校長が教師を連れて事故現場へやってきた。

・・
・・・・

戸矢羅「ただいまー。寂しかったよー瀬間ちゃーん・・・・あれ?」
こちらの雰囲気を察したのか、様子がおかしいことに気付いたようだ。

戸矢羅「どうしたの?」
瀬間「どうしたのこうしたもありませんよ。判明したことが多すぎて困ります。」
戸矢羅「ならいつもみたいにまとめてみてよ。ね、瀬間ちゃん。」
ここでウェイトレスが黒田さん注文のデザートを運んできた。

瀬間「とりあえず食べましょう。少し頭の中で状況を整理したいです。」
戸矢羅「瀬間ちゃんがそう言うなら食べよー。」
瀬間ちゃんも食べたいなーと言う戸矢羅さんのノリに、ついてけなかった。そんな気分じゃない。

・・・・

デザートを食べ、新たなドリンクを注ぎ、ようやく少し落ち着けた。

瀬間「では状況をまとめたいと思います。」
戸矢羅「わーーーぱちぱち。」
戸矢羅さんが盛り上げ役となる。元気だなー、デザート食べながら、俺たちが見たのと同じ映像見てたのに。
慣れてる・・というか、これがプロフェッショナルの凄さってやつか。盗撮の。

1.警察はこの事件のグル。
2.車内にいた女の人は恐らく天利先生を知っている。
3.車内にいた女の人も今日を何回も繰り返している。
4.カメラを仕掛けているのはばれている。だけど、仕掛けたのが私たちだとは気付いていない。

瀬間「うちの校長がグルかどうかはまだわかりませんね。どちらとも言えない状況です。」
グルである様子はありませんでしたが、それではグルじゃないという証拠にはならない。と瀬間さんが言った。
曰く、悪魔の証明に近いからグルじゃないことは確信できないだろうと。

戸矢羅「・・もっと手っとり早くいかない?」
瀬間「?と言いますと?」
戸矢羅「隣のテーブル席にいる人、件の女の人だよ。」

え?
全員が隣のテーブルに注目する。
言われてみれば・・どうして今まで気付かなかったんだろう?こんなに近くにいたのに。

?「あら、すごいわね。まさか気付かれるとは思ってなかったわ。」
戸矢羅「”ここ”も私のテリトリーだからね。私たちの意識はそらせても、カメラまではそらせないよ。」
?「・・あきれた。こんなところにまでカメラ仕掛けてるの?」
戸矢羅「挨拶みたいなものです。」
挨拶でカメラ仕掛けられたらたまらんよな。
つまり、今日行ったゲーセンにも仕掛けたのか?明日になれば仕掛けたのも無駄になるだろうけど。

ってそんなことより今が大事だ。
目の前にあの女がいる。
どうする?

?「ふぅ、異世界の技術って言われてもこんなもんね。やっぱり人間自体に欠陥があるのかしら?」
瀬間「あの・・あなたはだれですか?」
ツー「初めまして。私は・・ツーとでも呼んで頂戴。もちろん偽名ね。」
瀬間「ツー?カーもいるのですか?」
ツー「あーそっちじゃないわ。ワンツースリーのツーよ。私は二番目なの。」
二番目ならセカンドじゃないの?とはつっこまない・・というか、つっこむ雰囲気じゃない。

瀬間「私たちをどうするつもりですか?」
ツー「私が名乗ったのだから、そっちも名乗ってもらいたいわね。」
瀬間「るいといいます。もちろん偽名ですが。」
えーーー、、、まあ本名を言うよりはいいか。というかだれだよ。

ツー「・・二番目の女?あはは、私が二番目って言ったからかな?るいちゃん。」
瀬間「はい。それで、私たちをどうするつもりですか?」
戸矢羅「るいちゃんだけは私が守る!」
いや、俺たちも守ってよ。まあ本来は俺が守らないといけないんだろうけどさ。

ツー「会話は全部聞いてたから本名わかるけど・・まあいいわ。るいちゃん、あなたは異世界側?それとも未来側?」
瀬間「?どいういうことですか?」
ツー「あなたたちがこの時を繰り返すのは異世界もしくは未来から干渉されてるから。どっちから干渉されてるのかなってね。」
瀬間「・・どうなんでしょう?いきなりこんな事態になってるのですけど。」
ツー「そうなの。ちなみに・・天利先生だっけ。その人はどっちの干渉を受けてるかわかる?」
瀬間「その前に。あなたは天利先生の敵ですか?」

ツー「違うわ、敵じゃない。」
瀬間「本当に?」
ツー「疑うくらいなら聞かないで。」
瀬間「・・失礼。天利先生には未来の知り合いがいますが、それとは別にだれかいるみたいです。主な時間関連はその別のだれかが干渉してるみたいですよ。」
ツー「・・・・複数と接触してるの?まさか、、、さらに未来の?」
瀬間「少し、背景を話してもらえると助かるのですが。」
瀬間さんすごいなぁ。俺はもう端っこで大人しくしてるだけだよ。

ツー「別に難しい話じゃないわ。ここが未来の戦争の舞台になってて、異世界側がそれにちょっかいかけてる。それだけよ。」
未来の戦争の舞台が過去とは。複雑すぎる。

瀬間「あなたはどちら側なのですか?」
ツー「異世界側よ。未来側がおかしなことをしないか見張ってるわ。」
瀬間「異世界人・・というわけでは?」
ツー「私はこの世界の人間よ。異世界人は表舞台には中々でないからね。」
瀬間「・・だとすると、天利先生にちょっかいかけてるのは異世界人?」
ツー「さあね。他にも暗躍してるのはいるし、みんな友好的とも限らないわ。」
瀬間「・・」

ツー「ただまあ、あなたたちはまだ新参者って感じね。友好的に行きましょう。」
瀬間「最後に、あなたはだれですか?」
ツー「異世界人から選ばれた人間・・まあ、ただの手先ね。今は国の・・雇ってるのは個人だけど、悪い人を退治する役目を担ってるわ。」
雇われてる?悪い人を退治する役目?

ツー

うん、こんな感じかな?
ツー「ちょっと、私こんな胸小さくないわよ。」
妄想につっこまれた・・ありえんて。

ツー「それに、あれじゃあまるでビッチじゃない。私は・・そう、純真無垢な乙女なのよ。」
純真無垢ねぇ。とするとこんな感じか?

ツー

ツーさんが納得いったらしく、うんうん頷く。
あのシーンで満足って・・胸を大きくしたからか?

瀬間「車に乗っていた男の人とかですか?その人も未来の戦争と関係が?」
瀬間さんが話を戻す。
ツー「いいえ、未来とは関係ない。単に悪い奴だから処分しただけよ。」
じゃあなんで・・

瀬間「なんで学校につっこんだんですか?」
そう、俺もそれが気になった。
ツー「そうね・・最初は違うところで男を処分したんだけど、一日がループするようになってね。ならついでに情報収集として同じような境遇の人に会ってみようかなって。」
瀬間「それで、ご感想は?」

ツー「普通の人。なんでこの人が選ばれたかわかんなかったわ。」
瀬間「生徒のために熱くなれるいい先生ですよ。」
ツー「あら、じゃあ私と同じね。異世界人は熱い人を好むのかしら?」
瀬間「あなたからは冷静な感じしかしませんが?」

ツー「私はね、恋には熱くなるのよ。」
うぜぇ。とは言わないでおこう。空気読めない人だと認定されそうだし。

黒田「あ、あの。いつまで今日のループは続くのですか?」
ツー「さあね。だれかがループを画策したのだから、その黒幕さんが満足したらじゃない?」
黒田「そんな・・。」
かなりアバウトだな。

瀬間「みんなは他に聞きたいことありますか?」
戸矢羅「カメラで確認するまで私はあなたの存在に気付かなかった。もしかして異世界の技術ですか?」
ツー「ええそうよ。でも欠陥品ね、こうやって見つかったのだから。それともあなたが特別なのかしら?」
戸矢羅「さあ。ですが、もし私が特別だとしても、それでも見つかったらダメだと思います。」
ツー「そうね・・ふふ、あなたとは気が合いそう。楽しいわ・・逸材って、どこにいるかわからないものね。」
戸矢羅「気付くか気付かないかだけです。本来逸材でもなんでも、認識してるかどうかなんですよ。」
ふふふ・・と妖しい笑みを浮かべるツーさん。
俺だけ質問してないけど、なにか言った方がいいのかな?
何歳ですか?とは聞かない方がいいだろう。

栗本「ええと、未来人って戦争の結末を知ってるんじゃないですか?それでも戦争するんですか?無駄じゃあ・・?」
ツー「無駄・・違うわ。過去で戦うことによりパラレルワールドが生まれ、何百、何千、何万、何億何兆もの結末を生むのよ。より多くのパラレルワールドで、自分たちの勝利した未来を作るかで勝敗が決まるの。」
栗本「今の陣地取りとはちょっと違うんですね。」
ツー「パラレルワールド一つ一つが陣地よ。今の世とは価値観が違うとは思うけどね。」
色々進化していくんだなぁ。戦争も新たな舞台へ・・といったところか。

ツー「あ、そうだ。天利先生ってあなたたちとどう言う関係なの?先生と生徒なのはわかるけど。」
栗本「うちの担任です。俺たち、同じクラスなんですよ。」
ツー「あらそうなの。ふぅん、それにしても関係者がこのあたりにかたまっているなんて、まるで戦争の激戦地みたいね。」
え?

ツー「私そろそろ行くわ。貴重な時間をありがとう。」
瀬間「こちらこそ貴重な話をたくさん聞けました。ありがとうございます。」
ふふふ、じゃあね。また会いましょう。そう言ってツーさんは去っていった。

黒田「はぅぅぅ、ちゅかれたーーー。」
瀬間「私も、疲れました。」
栗本「なんにせよ、無事でよかった。」
持ってきた爆竹、使わないならそれに越したことないな。今度みんなで花火でもしよう。その時が活躍する時だ。

戸矢羅「次はカメラも考慮した手で来るかな・・どうするべきか・・ぶつぶつ。」
戸矢羅さんだけ緊張した顔を続けていた。
意外と真面目なんだな。普段があれだけにびっくり。

瀬間「ですが、困りましたね。手詰まりです。」
黒田「事件の全貌は大体わかったし、もうどうすることもできないの?」
瀬間「・・ファーストコンタクト・・あの女の人が天利先生や私たちと接触する。それが黒幕の目的なら、明日は土曜日になりますね。」
栗本「それは困るよっ。金使いすぎだーーーーーーーーーーせめて明日は金曜のままで、明後日土曜日にしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ。」
黒田「私も、その方が助かる・・。」
わかってるよ、こちらの意思でどうこうできないのは。
でも、だけど黒幕さん。可能なら明日は今日と同じ金曜にリセットすることを望むよ。



・・不思議なことに、本当に次の日はリセットされ、その次の日はリセットされずに土曜日を迎えた。
偶然かもしれないけど、感謝します。




















まあ元はと言えば、黒幕が原因なんだろうけどね。

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