―――つなぎ―――

―――栗本、帰宅途中

栗本「おーい、もち。」
学校から帰る途中、もちに出会った。
御許「・・・・あ、あんちゃん・・。」
ん?

栗本「どうした?調子悪いのか?」
・・・・俺が嫌われているから・・ってわけじゃないよな?

御許「う、ううん。大丈夫だよ。えへへ、こうして会えるの久しぶりだね。」
栗本「そうだな。お前が仕事始めてから中々会えなかったもんな。」
御許「学校終わってからすぐ撮影行ったりしたから・・ごめんね、ご飯作ってあげられなくて。」
栗本「それは別にいいんだが、無理とかしてないか?遊ぶ暇ないんじゃないかと思ってな。」
御許「学校で友達に会えるから大丈夫だよ・・・・でも、あんちゃんと会えないのは・・寂しいな。」
くっ、嬉しいこと言ってくれるなぁ。
モデルかぁ・・言い寄ってくる男も現れるだろうな。
もちが他の男と・・・・・それだけは許せないな、うん。

今のうちに手をつけた方がいいだろうか・・。

うーん、どうしたもんか。
御許「・・・・ね、あんちゃん・・・・き、キスって・・したことある?」
なんと、キスとな。
キチュ、キチュ・・これは、キスフラグか?

栗本「いや、ないけど。」
御許「そ、そう・・。」
・・・・・・・・話が終わった。
選択肢が間違っていたというのか?

いやいや、ゲームではここで終わりだけど、現実はいくらでも挽回は可能だ。多分。
諦めた時が試合終了。つまり、諦めなければ試合は続く、延長戦の始まりということだ。

御許「家、着いちゃったね。」
栗本「ああ。」
あれ?タイムオーバー?時間切れ?

御許「ね、今日は夕ご飯作るの手伝っていい?」
延長戦の始まりだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

栗本「いいけど、仕事ないのなら休まなくて大丈夫か?」
御許「あたしにとって、ご飯作るのは休息と同じだから。」
よっぽど料理が好きなんだなぁ。

栗本「なら手伝ってもらうか。母さんの料理がマシになるから助かる。」
御許「えー、おばさんの料理おいしいよ。」
栗本「毎日食べると飽きる。」
御許「飽きるほど食べたのなら、”いつもありがとう”くらい言ったら?」
栗本「・・お前の料理なら感謝してるけど、母さんは養育の義務があるからだろ?」
御許「無くてもおばさんなら料理作ってくれるよ。」
栗本「まあ、そうか・・たまには言ってもいいかな。」
御許「おばさん喜ぶと思うよ。」
うーん、でも恥ずかしい気が・・。

・・・・

さて、俺の家に着いた。
たまには感謝の気持ちを込めて、手伝おうと思ったんだが、台所は男子禁制と言われてしまった。
タイミングって難しいね。

仕方ないから隣の茶の間から台所にいるもちを眺めるとしよう。
・・・・かわいいよなぁ。付き合いたい・・って思うよ。

その後は一緒に夕ご飯を食べて、もちを家まで送った。
こうやって一緒にご飯食べたりしてると、既に家族なんじゃね?って思っちゃったりする。
ま、もち攻略はゆっくりやるか。

こうやって、もちは俺のそばにいるんだから。

もち

・・
・・・・
・・・・・・

―――もちの仕事場

カメラマン「じゃあ今日もお仕事がんばろうね。」
御許「は、はい・・。」
お仕事はいいのですが、その、この間カメラマンさんにキスされてから、ちゃんと顔を見れません。

ああいえいえ、お仕事なんですからがんばらないと。

・・撮影は順調に進んでいます。
かわいい服をたくさん着れるので楽しいです。
あ、あんちゃんが見たらかわいいって思ってくれるかな?

社長「ははは、どうだね、撮影は順調かな?」
あ・・社長です。
カメラマン「もちろん順調ですよ。おーい、椅子と飲み物持ってきてーーー。」
他のスタッフさんが手なれた様子で持ってきます。

社長「ん?監督はどうした?」
カメラマン「今ちょっと外してまして。」
社長「おいおい、お前らだけで撮影していいものが出来るのか?」
カメラマン「ちゃんと監督から指示は受けてますから。それに客先関係らしくて監督が行かないとだめなんですよ。」
社長「むぅ、だけどなぁ・・えっと、御許くんだっけ、不自由とかしてないか?」
ふぇ、突然声をかけられました。
・・この間のことがあるのでちょっと畏縮しちゃいます。

御許「だ、大丈夫です。みなさんとっても良くしてくれています。」
社長「そうか、それならいいんだが・・うんうん、かわいいねぇ。これなら彼氏もいちころだな。」
御許「あ、ありがとうございます。」
社長「でもなぁ、ちょっと色気に欠けてるかもな。」

御許「きゃっ。」
社長に、お、お尻を触られました。
社長「うんうん、よく成長してる。男を落とすコツが知り合いなら私の部屋に来なさい。こないだの続きをしようではないか。」
御許「え、えっと・・。」
ど、どうしましょう・・あうあうあう・・。

カメラマン「しゃ〜ちょう〜、いいかげんにして下さい!」
社長「ちょ、ちょっとくらいいいだろ、つまみぐいくらい。」
カメラマン「つまみぐいは冷蔵庫に入ってるものにしてください。」
社長「お?これ以上オレに逆らうならどうなるか・・わかってんだろうな?」
カメラマン「てめえは会社のことも考えやがれ。仕事遅れても知らんぞ。」

社長「・・わかったよ。まあしっかりやれ。」
カメラマン「言われんでもやるさ。ほら、邪魔だからさっさとどっか行け。」
社長「後で覚えとけよ。」
社長はスタジオから出ていった。
あうあうあう・・一触触発の状態は避けられましたが・・。

御許「あ、あの・・。」
カメラマン「ごめんね変な社長で。あ、ちょっと休もうか。」
御許「は、はい。」
”ありがとうございます”って言いたかったけど、なんとなく言えませんでした。
あたしのせいでカメラマンさんになにかあったら申し訳ないです。

―――帰る途中、タクシーの中

カメラマン「今日もありがとね。かわいかったよ。」
御許「いえ、こちらこそ・・その、ありがとうございました。」
カメラマン「オレは仕事で写真撮り続けて十五年は経ってるから、もう楽勝さ。」
御許「あ、そうではなくて、その・・社長から助けていただいたから・・。」

カメラマン「あの社長はねえ・・うん、まあ、なにかあったらオレに言ってくれ。はいはい言ってると子供作らされちゃうから。」
御許「こ、子供・・ぷしゅー。」
カメラマン「ああごめんごめん。でもまあ、気をつけるにこしたことないから。」
御許「は、はい。」
カメラマン「お、着いたみたいだ。次もよろしくね。」
御許「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

カメラマン「おっと、忘れてた。」
え?カメラマンさんがあたしに近づいてきて・・んんっ。

あ・・またキス・・されてる・・。
抵抗しなきゃ・・カメラマンさんはいい人だけど、でも・・。
力が抜けて・・すごくドキドキして・・いやじゃない、いやじゃないの。

カメラマン「あれ?呆けちゃって、そんなによかった?」
御許「だ、だめです・・これ以上されたらおかしくなっちゃ・・んんっ。」
ま、またキス・・今度は舌が入ってきてるよぉ。

ん・・あ、舌が・・絡まってきて・・・。
さっきよりも長い時間、カメラマンさんが入ってきて・・あたしもう・・。

もち

カメラマン「ふぅ、御許さん、どきどきするだろう?」
御許「あ・・ふぁあ・・。」
カメラマン「ん?大丈夫?」
御許「・・・・・・は、はい・・・・。」
それを言うのが限界でした。

カメラマン「んー帰れそう?家の前だけど無理?」
御許「だ、大丈夫・・です。」
ドキドキは治まらないけど、動くことはできそうです。

御許「そ、それではこれで失礼します。」
カメラマン「ああ、またね。」
カメラマンさんが乗ったタクシーが発車します・・・・。
タクシーが見えなくなるまで、キス・・された感覚を思い出していました・・。
キスされると身体が熱いよぉ・・あたしの身体、どうしちゃったんだろう?

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