―――もちがモデル?―――

―――学校にて
うーん、どうしたもんか・・。
今日もちと会うんだけど、相談があるらしく、、、んで、その相談内容が

”モデルにならないかって、言われたんだけど・・”

あいつがモデル?ははは、ありえねえよな。
・・・・どこがいいんだ?胸か?胸なのか?

モデルかぁ。女の子はなりたいものなのかな?
栗本「黒田さん、ちょっといい?」
黒田「うん、いいよ。なに?」
栗本「黒田さん、モデルにならない?って言われたらどうする?」

黒田「あはは、もちろん断るよ。」
栗本「どうして?」
黒田「スキャンダルがあるから。」
・・・・どうやら、聞く人を間違えたようだ。
とりあえず、どんなスキャンダルかは聞かないどこう。いい話じゃなさそうだし。

黒田「ね、私モデルみたいに見える?」
栗本「いや、見えない。」
ぽかぽかぽか・・なぜか叩かれてる・・選択肢間違えたかな?

黒田「むー、私そんなにかわいくない?」
栗本「いや、かわいいとは思うけど、身長が足りないかなと。」
身長・・そうだなぁ、もちも身長低いから、モデルって感じじゃないよな。

黒田「身長が低くても、魅力があればいいの。」
栗本「まあそうだけど・・。」
俺からすると、モデルの魅力は”特別”だと思うんだけど。
他とは違う”特別”ななにかが必要かと。
アピールポイントと言ってもいいかな。

黒田「んー、どうしてそんなこと聞いたの?私がかわいいから?」
栗本「知り合いがスカウトされたみたいで・・相談されたんだよ。」
黒田「へー、どうでもいい。」
うわ、一瞬で興味無いって感じになったよ。

黒田「ちなみに、栗本くんはどう答えたの?」
栗本「まだ答えてない。今日そいつと会って話すことになるんだけど。」
黒田「ふーん、その子はかわいいの?」
栗本「どうかな・・まあ、それなりにかわいいんじゃねえかな。」

瀬間「ふ、ふ、ふ、ラブの予感。」
栗本「あ、師匠。」
瀬間「師匠?」
栗本「師匠の言葉は頼りにしています。」
瀬間「・・はあ、どうも。」
黒田「おお、瀬間さんが戸惑ってる。栗本くんすごいっ。」
そう?特にすごいことはしてないんだけど。

瀬間「ラブは重要です。人のラブは楽しいです。」
黒田「お、戸惑いから戻った。」
瀬間「好き放題に人のラブを楽しみ、あとは野となれ山となれで終了。」
栗本「えっと、着地点くらいは用意していただけると助かります。」
瀬間「着地点を決めるのはあなた自身です。私たちはあなたが決めた後、協力するだけです。」
栗本「俺が・・決めるのか・・。」
黒田「私たちが協力をするって言ってたけど、私も入ってるの?」

瀬間「さあ、話してみなさい、あなたの疑問、私たちが答えて見せましょう。」
栗本「ありがとうございます。さすが師匠。」
瀬間「おほん、なんでもどうぞ。」
黒田「ねえねえ、向こうで戸矢羅さんが怖い顔して栗本くん睨んでるけど、いいの?」

栗本「実は、知り合いがモデルにスカウトされたみたいなんですが、どうしたらいいか相談されてまして。」
瀬間「ふむふむ、その様子ですと、その知り合いさんがモデルになるのは嫌って気持ちがあるんですね。」
黒田「・・相談の相談ってどうなんだろう?」
栗本「嫌ってほどでは・・最終的に決めるのは、その知り合いですし。」

瀬間「その子の相談相手はあなただけなのですか?既に他の人にも相談してたりしないんですか?」
栗本「多分、友達くらいには話してると思うし、家族には言ってるとは思うけど。」
瀬間「家族はどうですかねぇ。友達はあると思いますが・・栗本くんは友達として相談したのでしょうし。」
栗本「・・」
瀬間「おや?その子は友達じゃなく、彼女さんかなにかですか?」
栗本「と、友達だよ。友達・・。」
黒田「まあまあ戸矢羅さん、瀬間さんが栗本くんと話してるからってそう怒らないで。」

瀬間「まあいいでしょう、友達ですね。ではまずはゴールを決めましょう。」
栗本「ゴール?」
瀬間「目的地・・とでも言いましょうか。例えば、そのお友達が”モデルになる”が一つのゴールですね。他には”モデルにならない”があります。」
栗本「えっと、それを決めるのはも・・友達じゃないんですか?」

瀬間「あなたが相談されたんですから、あなたの思う結論を出さないと。でないとあなたに相談する意味がありません。」
栗本「・・そ、そうなんだ・・。」
もちがモデルにか・・なった方がいいんだろうか?
いいチャンスって気もするし。だけど、他の男がもちを見るようになるのか・・それは嫌だなぁ。
俺の勝手な考えでもちのチャンスを無くすのもあれだし、うーん。

栗本「えっと、なにを基準に考えればいいのですか?」
瀬間「あなたの都合で考えればいいですよ。独占したいならモデルにさせないのをゴールにすればいいですよ。」
栗本「・・えっと・・。」
瀬間「いいから考えてください。あなたにとって一番都合のいい選択を!」

俺にとって一番都合のいい選択・・。
もちがモデルになったら・・遠い人って感じだよなぁ。
ならなければ、今のままこうちょくちょく会って、弁当作ってくれて、友達で・・いられるんだよな。

栗本「よし、決めた!」
瀬間「では”モデルにならない方がいい”と決めた栗本さんですが、その子と話す時はモデルにならない良さを伝えてあげてください。」
栗本「・・あれ?俺言ってないよ?」
”モデルにならない方がいい”って決めたこと。

瀬間「好きな子がモデルになったら、業界の人とエッチしまくっちゃいますもんね。嫌ですよねぇ。」
・・別にそんなこと考えてなかったよ。でもまあ、理由が一つ増えたな。


御許




御許




御許


・・・・うん、だめだな。モデル禁止。

瀬間「まあ基本的には目的を決めれば、その方向で話をすればいいのですが、注意点があります。」
栗本「注意点?ごくっ、それは・・?」
瀬間「相手が既にどうするか決めてる場合、意味をなしません。」
栗本「・・え?相談してきたんだから、まだ決めてないんじゃない?」
瀬間「違うんですよ。”決めてるけど不安だから話を聞いて欲しい”って場合があるんですよ。女の子の相談には注意してください。」
そ、そうなのか・・。

栗本「じゃあ、どうすれば・・。」
瀬間「まずは相手の話を聞きましょう。自分の意見は後回しです。」
栗本「ふむふむ。」
瀬間「判断材料は相手の話の中にあります。話の中から相手の望みを見つけるんです。」
栗本「望みか・・俺にも見つけられるのですか?」

瀬間「栗本さん次第ですね。まあもちさんが相手なら可能性は高いと思いますよ。」
栗本「そうか・・って、どうしてもちってわかるんだ?」

瀬間「他に友達いましたっけ?」

きついよ・・俺の心はかなり傷ついたよ。
というか、瀬間さんは俺を友達カテゴリに入れてくれないんですね。
瀬間「興味無い相手には雑なことしか言わなかったりしますが、もちさんならきっと大丈夫ですよ。」
栗本「どう大丈夫だと?」
瀬間「ふふふ、それを言うのは野暮ですよ。まあ、栗本くんは”お前は俺のそばにいればいい”と言って、もちさんを押し倒せばOKです。あっという間に解決しますよ。」

栗本「さすがにそれはNGです。」
バンッ。

っつぅぅぅぅ、なんかいきなり叩かれたぞ。
戸矢羅「これ以上瀬間ちゃんと話してはいけません。終了です。」
・・いつの間にそんなルールが出来上がったんだ?
黒田「ごめんね、止めきれなかった。」
まあこの場合、黒田さんに罪はないよ。

瀬間「栗本さん、ファイトですよ。あ、明日どうなったか教えてくださいね。」
それくらいならいいか。相談に乗ってもらったし。
瀬間「ビデオに撮っておいてもらえるとさらにいいです。」
それはだめです。


―――帰宅

栗本「ただいまー。」
栗本母「おかえりなさい、もっちゃん来てるわよ。」
もうもち来てんのか。

栗本母「あんたの部屋にいるから、追加のお菓子持っていって。」
栗本「な・・に?」
やばい、俺の部屋はプライベートゾーン。決して女の子が入っていい部屋じゃない。

ろくに掃除していない部屋、ベッドの下に入っているエロ本、シークレットダイアリー、全て見られて困るものだ!

母さんからお菓子を受け取ると、急いで自分の部屋へ向かった。
頼む・・デリケートな俺の部屋が無事でありますように。

がちゃ。
栗本「もち!」
御許「あ、あんちゃんおかえり〜。」
トントン。
もちは俺の机の上に散らかってる本たちを整理していた。

よく見れば、床にはちりひとつない・・本棚は・・バラバラだった本が巻数順に並べられてる・・。
そして、その本棚の中に・・・・ベッドの下に隠していた本がしまってある。

んぅぉぉぉぉぉぅぅぅぅいおいおぃえあけんぅれんふぁぁえああああああぁぁぁ・・。
声にならない叫びだったような気がする・・もち、男のプレイベートゾーンには入っちゃいけないんだよ。
俺は泣いた。裸を見られているような・・日常を監視されているような・・俺には隠しごとの一つも許されないのか。

御許「あんちゃん?あの・・どうしたの?」
栗本「うおおーん。もち、男の部屋は勝手に掃除しちゃいけませんっ。」
御許「で、でも・・座るとこないくらい散らかってたから・・。」
栗本「とりあえずベッドは散らかってなかったから。枕元以外。」
一応補足しといた。枕元には本が積まれてたんだけどな。今はその本たちも本棚へしまわれている。

御許「ベッド・・あうあう・・あ、あんちゃんが・・したいなら・・あたしは・・あうあうあう。」
ん?なんか様子がおかしいぞ。
御許「じゃ、じゃあ・・。」
トコトコと、もちがベッドの元へ行き、ちょこんと座る。

栗本「いや、掃除したんなら床も綺麗だぞ。」
御許「むぅ〜〜〜。」
?なんなんだ?

二つ座布団を出して床に敷く。
俺ともちはそこに座る。

ズズズ・・ジュースを一口飲み、話を切り出す。
栗本「で、相談だったな。」
御許「う、うん。」

”モデルにならないかって、言われたんだけど・・”

もちがモデル・・うーん。
御許「ね、あんちゃんはどう思う?」
俺の意見・・モデルになっちゃいけませんって立場なんだが、もちが既に決めている場合はなんの意味もなくなる。
うん、まずはもちがどう思ってるか聞く方が先だな。

栗本「いやいや、まずはもちがどう思ってるかが重要だと思うぞ。素直な気持ちを聞かせてくれ。」
御許「うん・・でもね、よくわかんないの。クラスのみんなはなった方がいいって言うんだけど、でも・・モデルさんって・・」
栗本「ん?なんだ?」
御許「・・・・綺麗な人ばかりだから・・あたしじゃ力不足じゃないかって・・。」
もちもモデルになるのは反対なのかな?それならまあ、話は早いな。

栗本「友達がなった方がいいって言うから迷ってて、もち自身はなりたくないんだな?」
御許「あうあう・・あのね、なりたいって気持ちもあるの。」
栗本「そうなのか?」
うーん、もちがモデルになりたいのなら、その方向で話した方がいいのかな?

御許「もしかしてね、モデルになれば綺麗になれるんじゃないかって思うの。」
栗本「綺麗になりたいのか?」
御許「うん。」
栗本「もちもそういう一般的な願いもあるんだな。」

御許「(ぼそっ)綺麗になれば、あんちゃんあたしのこと、女の子として見てくれると思うから・・。」

栗本「ん?なんて言ったんだ?」
御許「い、言ってないよ。何にも言ってない。」
そうか?

栗本「んーならやってみたらどうだ?」
御許「ふぇ?」
栗本「ほら、もちは学生だろ。いざとなったら学業を理由にして止めればいいと思うぞ。」
御許「・・や、止めることを前提にしたら、相手の会社の人たちに悪くないかな?」
・・・・結構細かいこと気にするな。まあこいつは昔から気を使いすぎだったな。

栗本「まあそん時は仕方ないからだろ。仕事自体は精一杯がんばればいいんじゃないか?」
御許「そ、そうかな。なら・・やってみようかな。」
栗本「応援してるから。困ったことがあれば相談しろよ。」
御許「うん。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?どうしてこうなったんだ?
モデルになるの反対だったんだが・・あれ?
結論:付け焼刃の成功率は低い。

御許「化粧して、かわいい服を着たら、少しは綺麗になると思うから、そしたら・・あんちゃんにも見て欲しいな。」
化粧して、かわいい服を着て・・うん、きっといいはずだ。

栗本「もちろんだ。見せなかったら泣くからな。」
御許「あんちゃんの泣く姿も見てみたいかも。」
それは困る。

御許「えへへ、じゃあ早速お受けしますって話するから、電話借りていい?」
栗本「構わんが、家帰ってすればいいんじゃないか?」
御許「少しでも早くあんちゃんに、綺麗になったあたしを見てもらいたいから。」
くそぉ、かわいいことを言う子は襲ってもいい法律はないのか?
俺の携帯を借りたもちが、メモを見ながら番号を打つ・・

御許「あんちゃん、電話始まらないよ?」
栗本「あー番号入れた後、このボタンを押すと始まるぞ。」
御許「そうなんだ。はいてくなんだね。」
別にこれはハイテクとは違うと思うが。
ま、モデルを始めたら携帯くらい持たされるだろうと思うから、今のうちに少しくらい知っといた方がいいのかな?

御許「・・はい・・・・はい、明日ですね。はい、じゃあ学校終わったあと五時に向かいます。」
ぴ。

御許「えへへ、電話ありがとう。」
栗本「明日どっか行くのか?」
さすがに明日すぐに撮影ってことはないよな?

御許「働く前に色々手続きが必要だから事務所に来てくれって。あと、とれーにんぐ本とか貸してくれるんだって。」
栗本「トレーニング本?」
御許「ポーズのとり方とか心構えが載ってる本だって。他にも、未成年だと遅くまで働いちゃだめとか書いてる本も貸してくれるみたい。」
栗本「はぁ〜〜、結構普通のとこなんだな。」
御許「ちゃんとしたところだよ。声かけてきた人もいい人だったし。」
俺は、犯罪者ほどきっちりしてるって思うんだが。ほっかむりして風呂敷背負った泥棒がいないように、犯罪者は犯罪者だとわかりにくく偽装してるんじゃないか?

栗本「なんか、本当にモデルになるんだな。」
御許「あたしの活躍を見ててね。あ、でも、あんまりじろじろ見ちゃ恥ずかしいかも。」
どっちだよ・・じろじろ見ようか、うん。

・・
・・・・

次の日、もちが昨日言ってたトレーニング本やパンフレットとか、事務所?でもらったものを色々持ってきた。
同じ事務所の先輩が載った雑誌とかもあったんだが・・水着撮影もあるのか・・。

もちが水着・・


御許


うん、悪くない。
悪くない。
悪くないのだが・・
もうちょっとカメラさん下の方も写してもらえるとさらにいいんだけど。

あーいやいや、そうじゃなく、他の男が見るのはだめだ。NGだ。
むぅ、心配だ。

inserted by FC2 system