―――冬休み―――

天利「なぜ?」
年末、実家に帰省したのだけど・・家にだれもいない。
夏の時と同じかよ。
ちゃんと帰省するって連絡したのに・・。

となると、また従姉妹の濡髪の所へお世話になるか。
多分連絡入ってると思うし。

うちの親は何がしたいんだか。


・・ピンポーン。
濡髪「いいえ、私はピンポーンさんではありませんよ。」
天利「・・」
濡髪の家に来てチャイムを鳴らしたまではよかったんだが・・。
後ろから濡髪に声をかけられた。

濡髪「これ以上ないくらい驚いたから、声が出ないんですね。」
天利「全然違うっ。何言ってるか理解できないんだ。」
濡髪「つまり、私の高度な冗談は理解できるほど、お笑いのレベルは高くないと言いたいんですね?」
・・もうそれでいいよ。

天利「えっと、僕がここに来た理由はわかる?」
濡髪「”お前を迎えに来た。”そう言いたいんですね。」
天利「一人で帰るよ。」

濡髪「あーん、糸利ちゃん帰っちゃやだ。お泊りですね、ようこそ西見家へ。」
天利「お世話になります。」

・・前回来たのが夏だし、そんなに変わってないか。
外は雪が降ってるからイメージ違ったけど・・。
濡髪は・・何となく、前より色っぽくなったかな?

濡髪「糸利ちゃん、お腹すいてない?何か食べる?」
天利「適当に何か用意して。」
濡髪「はーい・・何か夫婦みたいだね。」
天利「夫婦なら”ご飯にする?お風呂にする?それとも・・”じゃないのか?」
濡髪「・・」
はっ、引かれてる?

濡髪「糸利ちゃん・・いつの時代の人?」
天利「現代です。まだ二十代前半です。」
というか、まだ古くないと思ってるんだけど・・あれぇ?

濡髪「ご飯すぐ用意するから、テレビでも見ててください。」
天利「うん。」

・・ふぅ、実家はいいなぁ。ゆっくり出来て。
あれ?実家と違う。ここは従姉妹の家だ。
うちの親は子供放って何してるんだか。
そういえば・・。

天利「叔父さん達は?」
濡髪「退治の依頼があったから、山形の方へ行ってますよ。」
天利「・・そう。」
そういえばここは僕の知っている世界とちょっと違ってたんだっけ。
ゲームの世界みたいだよな。

濡髪「はい、濡髪特製ドリンクです。」
天利「・・」
ドリンク?
目の前にはなんかどろっとした液体?がある。

天利「これは飲むと言わないか?食べ物じゃないの?」
濡髪「特製ドリンクです。」
天利「なあ。」
濡髪「特製ドリンクです。」
天利「食べ物・・。」
濡髪「特製ドリンクです。」

天利「いいよ、飲むよ。」
濡髪「毒性ドリンクです。」
天利「おいっ。」

濡髪「冗談ですよ。味はともかく栄養は満点です。」
味はともかく?
天利「まずいの?」
濡髪「もしかしたらお口に合わないかもしれません。」
天利「おいしくないの?」
濡髪「味覚は人それぞれ違うと思います。」
まずいんだ・・。

天利「やっぱり先に休もうかな。」
濡髪「・・うう、新婚そうそう夫は私の食事をとってくれない。」
天利「わかったよ、飲めばいいんだろ。」
だれが夫だ?
ゴクッゴクッゴクッ。
うん、まずい。

濡髪「栄養はばっちりだよ。」
そうだな。このまずさは栄養だけは良さそうだ。

天利「ごちそうさま。」
濡髪「おいしかった?」

・・え?それを聞く?まずいの知ってるでしょ?
濡髪「おいしかったよね?」
うう、答えは一つだけか・・。

天利「おいしかったです。」

濡髪「えへへ、よかった。」
いい笑顔です。いいんだ、僕が嘘をついたとしても濡髪が笑顔でいてくれるなら。
・・というか、濡髪はドリンクがまずいとわかったうえで聞いたよね?

天利「今日はもう休むよ。」
変なドリンク飲んだためか、ちょっと調子悪い。
濡髪「ならお布団敷きますね。」
天利「ああ、ありがとう。」

少しすると濡髪が戻ってきた。
濡髪「お布団敷きましたよ。」
天利「ありがとう。」
濡髪「こっちです。」

・・
天利「ここは?」
濡髪「糸利ちゃんが休む場所ですよ。」
生活感のある女性の部屋とお見受けしました。
というか、濡髪の部屋だろ?ここ。

天利「ちなみに聞くけど、濡髪はどこで休むんだ?」
濡髪「同じ部屋ですよ。」
天利「布団は?」
濡髪「糸利ちゃんと同じですよ。」

天利「よし、布団は僕が勝手に敷くから。」
濡髪「うー、うー。」

濡髪は放っておいて居間の押し入れから布団を持ってきて敷く。
濡髪「うーうーうー。」
天利「一緒に寝れるわけないだろ。」
濡髪「・・私達は、特別な関係じゃないですか。」
天利「従兄妹だな。」
濡髪「それだけ?」
天利「・・それだけだろ?」

濡髪「夏に・・糸利ちゃんが無理やり私の初めて奪ったのに・・。」
天利「ちがーう。お前が誘って来たんだろう?」
濡髪「どっちでも一緒だよ。私達は男と女の関係だよ。」
・・まあそうだけど・・。

ん・・眠い。早く寝よう。
天利「ま、とにかく寝るから。」
濡髪「うん・・明日、たくさんお話しようね。」
天利「ああ、おやすみ。」
濡髪「おやすみなさい。」

・・
帰省するのに時間かかったからなぁ。疲れが出たかな?

・・・・
向こうにいた時は内田先生と黒田と瀬間、最近は戸矢羅ともエッチしないといけないからなぁ。
無理してたかな?

・・・・・・
仕事も・・楽じゃないしなぁ・・。


・・
ん、、朝?
ってまだ真っ暗だ・・夜か。

時計時計。
・・夜中の零時。
変な時間に起きてしまった。

早い時間に寝てしまったせいか、目が冴えてしまった。
この時間なら濡髪はもう寝てるだろうし、どうしたもんか・・。

確か、身体が暖まった後、体温が下がると眠くなるんだっけ。
お風呂に入った後眠くなるのはそういう理由もあるらしいが。
・・お風呂をわざわざ沸かすのはキツイな・・めんどい。
こういう時は暖かいものでも飲むか。

ホットミルクにしよう。冷蔵庫に牛乳があることを信じて台所へ向かう。
間違っても冷たいまま飲むと目が冴えるから味見は作ってからね。

・・重要なのは砂糖をいくつ入れるべきかだ。
多すぎると身体によくないし、少ないとおいしさがなぁ。
ん?明かりがついてる。
・・濡髪の部屋だな。まだ起きてたか。
戸を開けっぱなしにして寒くないだろうか?

どれ、一声かけるか。もし寝てたら毛布でもかけてやらないとな。

焔「もっと大きな声を出していいんだぞ?いつもみたいにな。」
濡髪「・・だ、だめぇ。糸利ちゃんが起きちゃう・・。」

・・だれだ・・あの男・・。
それに、濡髪も何してるんだ?

nukami

焔「聞かせてやれよ。私達の関係をな。」
濡髪「だめぇ、糸利ちゃんに・・糸利ちゃんには知られたくないっ。」
焔「お前がどうしてもって言うから泊めてやったんだぞ。」
濡髪「だって、糸利ちゃんの御両親は出かけていて・・。」

焔「変な両親だよな。息子が来るのにわざわざ家を開けるなんて。」
濡髪「あん、伯父さん伯母さんは忙しいんです。色々考えがあるんです。」
焔「ふぅん、まあどうでもいいがな。こうやって、お前を孕ませる方が楽しいからな。」
濡髪「孕ませっ・・」

焔「いやか?いやならやめるが?」
濡髪「あ・・やだぁ・・やめちゃやだぁ。」
焔「そうだろ?お前はこれが大好きなんだからな。」

濡髪「うう・・焔さんが全部教えたんじゃないですか・・ああっ。」
焔「幸せだろ?こんなに気持ちよくて幸せだろう?」
濡髪「ああ、気持ちいいです。きっと・・幸せ・・だと・・思います・・。」

焔「もうお前は私の女なんだ。お前の好きなあの男がいようが、毎日抱きに来るからな。」
濡髪「ま、待ってます・・焔さんが来るのを、あんっ・・待ってますぅ。」
焔「そうだ。お前は私の子種で孕むんだ。出してやるぞ、私の手によって孕むがいい。」
ドクッドクッ・・ビュッ、ビュッ、ビュッ・・。

濡髪「ああっ、焔さんのがたくさん・・。」
焔「もう何十回お前の中に出してやったかな。そろそろ妊娠してもおかしくないんじゃないか?」
濡髪「・・」
焔「春休みにまたあの男が来るだろう。その時に見せてやれ、お前のお腹にだれの子がいるかを。」

nukami

濡髪「・・そんな・・いやぁ・・。」
焔「だが、お前は私を拒めないだろう?もう会わなくてやってもいいんだぞ?」
濡髪「・・あ、あの・・。」
焔「ほら、来なくていいのならそう言えよ。」
濡髪「・・」

焔「ああ、そうか。わかったよ。もう来ないよ。」
濡髪「あ・・。」

服を着て男は玄関へ向かう。
濡髪は追わないようだ。追って欲しくはなかったからいいんだが。
それにしても、やばいのを見てしまった。
というか、だれだあの男。濡髪をたらしこんだ感じだったが。

ま、もう会わなさそうだしつつく必要はなさそうだ。
この件は見なかったことにしよう。

明日はまたいつもの従姉妹として接しよう。


・・
天利「うーん。」
朝、身体を伸ばす。
狭いアパートでも身体を伸ばすことくらいは出来るけど、広い部屋だと気分がいいなぁ。

台所へ行くと、濡髪が朝食を作っていた。
濡髪「あ、糸利ちゃんおはようございます。」
天利「おはよう、濡髪。」
濡髪「よく眠れましたか?」
天利「ああ、ぐっすりと。濡髪もちゃんと寝れたのか?」

濡髪「はい、よく寝れました。」
天利「それはよかった。」
濡髪「でも・・糸利ちゃんが一緒に寝てくれたらもっとぐっすり寝れたのに。」
天利「ははは、また今度な。」

・・そうしてたら昨日の男は来なかっただろうか?
あ、今日は来ないだろうし、濡髪と一緒に寝てもいいかもな。

濡髪「糸利ちゃん?」
天利「あ、いや、朝ごはん何?」
教師の立場もあるし、僕から一緒に寝ようって誘うわけにはいかないよね。

濡髪「特製ドリンク。」
天利「・・」
濡髪「じょ、冗談ですよ。焼き魚です。」
他にも味噌汁とサラダが何種類かある。身体に良さそうなメニューだ。

まあ、都会でファストフードとコンビニ漬けの僕からすれば大抵のメニューが身体に良さそうに思えるか。
ちょっとつまんでみたが・・おいしい。
どこをどうすればこんな味付けになるんだ?
僕はまったく料理出来ないとまでは言わないけど、今でもカレーを時々焦がすよ?
鍋の底が大変なことになるんだよ。あ、カビさせたこともあるし・・。

濡髪「あ、ダメですよ、つまみ食いは。」
天利「えっと、お腹空いたんだけど。」
濡髪「我慢できないのはダメ人間です。理性と秩序が人間の良い点です。そのためには我慢が必要なんですよ。」
天利「理性と秩序ねぇ。僕にはよくわからないよ。食べたいから食べるじゃダメ?」

濡髪「いけません。欲望に走っては秩序が壊れてしまいます。その先にあるのは破滅です。多くの不幸が生まれます。」
天利「難しすぎてわからんよ。とにかく料理が全部出来上がるまで待てばいいんだな?」
濡髪「そうです。常に冷静に、自らも含めどうあるべきかを考えることです。」

・・難しい話が続きそうだったので居間に退散することにした。
うーん、前回来た時はラブラブな感じだったのに、今は一歩引いた感じがするなぁ。
・・昨日の男との関係も影響しているとは思うけど・・。

・・その後は濡髪と二人でゆっくりと話し合った。
ちょくちょくべたべたして来たけど、うーん、やっぱり前よりはアプローチが弱いかな?

濡髪「夜は特製ドリンクです。」
天利「別に濡髪はそんな特徴作らなくていいんだよ。」
濡髪「特徴?」
天利「あ、こっちの話。」

濡髪「変な糸利ちゃん。さ、どうぞ。」
ゴクゴク・・うん、まずい。
天利「お、おいしいよ。」
にこっ。
濡髪「えへへ、よかった。」
そうですか。

・・うーん、眠い。
今日もゆっくり寝れそうだ。
とはいえ、濡髪誘って来なかったなぁ。
しくしく、もう一回誘って来たら一緒に寝たのになぁ。



―――天利の寝ている部屋・・その部屋の入り口付近に濡髪はいた。

・・糸利ちゃん、寝たかな?
焔さんがくれた薬、よく効いてる・・。
昨日、焔さんとの行為を糸利ちゃんに見られたくないって言ったら渡された睡眠薬。
おかげで昨日のことはばれてなかったけど・・。

ごめんね、糸利ちゃん。
私、もう焔さん無しに生きていけないの。

防寒具を着て外に出る。
風が冷たい。私、何してるんだろう。
でも、もう戻れない。
私は焔さんの所へ向かった・・。



焔「それで?私とは会いたくなかったんじゃなかったのか?」
濡髪「そんなこと言わないでください。お願いですからお慈悲を・・。」
焔「お前が私のモノになるのなら考えてやってもいいが?」
濡髪「モノ?」
焔「私の言うことを聞いていればいい。何でもな・・。」
濡髪「よくわかりませんが、何でもしますから。だから・・。」

焔「ふふ、玄関は寒いだろう。中に入れ。あっためてやる。」
濡髪「はい・・。」


・・
濡髪「焔様のが・・ああっ。」
何でも言うことを聞く・・まずは様付けで呼ぶように言われました。
焔「やっぱり自分のモノで楽しむのは格別だ。」

濡髪「焔様のモノ・・。」
私が気持ちよくなるための代償。私はこの人のモノになっちゃったんだ。
もう糸利ちゃんとは結婚できないのかな?
それとも糸利ちゃんが助けてくれるのかな?

nukami

焔「どうした?やる気がないならやめちゃうぞ。」
濡髪「あ、ごめんなさい。これからも焔様にかわいがってもらえるのが嬉しくて、少しぼーっとしてしまいました。」
焔「くくく、よーく念入りにかわいがってやるから大人しくしてろよ。」
濡髪「はい・・。」

これでいいの。糸利ちゃんが来るわけない。
それに、糸利ちゃんは数日したらまた仕事先へ行っちゃう。
その間、私は一人なんて耐えられない。

濡髪「あんっ、焔様のが突いてきます。」
焔「気持ちいいか?」
濡髪「は、はいっ。気持ちいいです。」
焔「うんうん、女の子は素直が一番だ。私の子供も身ごもってくれるな?」
濡髪「え・・。」

焔「身ごもってくれるだろう?私の言うことは何でも聞くんだろう?」
濡髪「・・はい・・ほ、焔様の・・赤ちゃん・・ください・・。」
焔「いい子だ。なら遠慮なく中出ししてやろう。」

濡髪「・・はい、よろしくお願いします。」
焔「ようし、出すぞ、出すぞ、出すぞっっ。」
濡髪「は、はい。私もイっちゃいますぅ。」

ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ・・。

濡髪「あああああっっっ、、、たくさん・・出てますぅ・・。」
焔「おっ、おっ。奥に出てるぞ。子供が楽しみだ。」

子供・・糸利ちゃんとの子供なら大歓迎なんだけどな・・。
どうしてこうなっちゃったんだろう・・。

nukami

焔「今日は泊まっていくか?」
濡髪「いえ、家に帰ります。」
焔「それほどあの男がいいのか?」
濡髪「・・いえ、私がいないことで朝になって警察呼ばれたら大変じゃないですか。」

この人に本当のことは言えない。
もし、この人が糸利ちゃんと会うなと言ったら私はもう会えなくなる。
それだけは・・いや・・。

焔「そうだな。後にとっておく方がより楽しみが増す。」
濡髪「楽しみ?」
焔「ああ、楽しみだ・・お前の想い人、いい男だったな。」
濡髪「・・それで?」
焔「いや・・何でもない。タクシーを呼ぶからそれまで暖まってろ。」

濡髪「それも命令ですか?」
焔「そうだ。風邪でも引いてしまったらエッチも楽しめないからな。」
濡髪「・・わかりました。」

私は焔さんの呼んだタクシーで家に帰りました。
・・こっそり糸利ちゃんの様子を見に行ったけど、ぐっすり寝ているようでした。

濡髪「おやすみなさい、糸利ちゃん。」
さようなら、私の好きな人。
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