―――変わった人達―――

かたんっ。

天利「ん?」
今はお昼休み。
何か落ちた音がした気がしたので振り向くと、メガネが落ちていた。

状況分析開始。
何か落ちた音がしてそこにはメガネが落ちていた。
他に何か落ちている物はなさそう。

・・これにより、落ちていた物はメガネと判断する。

次に、女学生を一人発見。
他に人はいない。

・・これにより、落とした人はこの女学生と判断する。

最後に、落し物があった場合の行動。
先生として生徒への好感度は重要。
人として親切であることは大切。

・・これにより、落ちていたメガネを拾い女学生に笑顔で渡す行動をとる。
この間約一秒。

天利「もしもし、メガネ落としましたよ。」
矢椋「メガネ?メガネってなんですか?」

・・
あれ?おかしいな。
確か予想される相手の行動は、”ありがとうございます先生。”あたりが妥当と思ったんだが?

天利「えっと、キミが落としたこれがメガネだけど・・。」
矢椋「私は落としていませんよ。こんな変わったもの。」
天利「いや、普通のメガネだけど・・。」

・・ありえんやり取りだ。僕は幼稚園児を相手にしているのか?
いや、どう見ても幼稚園児には見えない。胸のふくらみとか・・。

余香「こらぁっっ、なにをしてる?」
天利「ぐわっ?」
これは・・蹴られた?

矢椋「あ、マネージャーさん。」
マネージャー?
余香「いけません、お嬢様。あのような大悪人に近づいては・・。」
矢椋「だ、大悪人・・?」
余香「そうです。あの男はお嬢様をたぶらかし、食べてしまいます。」
矢椋「そんな・・怖い・・。」
ちょっと待て。何だそれは?
余香「ここは私に任せてお嬢様は事務所へ避難してください。」
矢椋「わ、わかりました。」

てってってってっ。
女の子が走って逃げて行く。
余香「さて、そこのあなた。お嬢様に変なことを教えないでください。」
天利「お嬢様?」

余香「ええ、矢椋 由梨姫(やむく ゆりき)お嬢様です。」
天利「だれ?」
先生として生徒を知らないのはどうかと思うが、本当に知らないのだ。
後、この人もだれ?スーツだし、生徒じゃなさそうだが。

余香「私は余香 和音(よこう わおん)。お嬢様のマネージャーです。」
天利「何のマネージャーですか?」
余香「アイドルのです。」
・・
アイドル?
ああ、あのお嬢様と呼ばれていた矢椋って子はアイドルなのか。
そして、この余香さんがマネージャーさん。

天利「だいたい納得しました。そう言えば変なことってメガネについてのくだりですか?」
余香「もちろんです。他に何かありましたか?」
天利「いや・・何でメガネについて教えちゃダメなんですか?」
余香「お嬢様は深窓の御令嬢を目指しているんです。俗世界の言葉はできるだけ知らない方がいいに決まってます。」
・・は?

天利「すみません、僕には何を言っているか理解できないのですが・・。」
余香「ですから、お嬢様はアイドルなんです。そのイメージは深窓の御令嬢。だからです。」

天利「つまり、キャラ作りだと。」
余香「そんな俗な言葉でくくらないでください。世間一般のそれとは違います。」
天利「はあ、どう違うのかよければ教えてくれませんか?」
余香「世間では知らないふりをするでしょう?わざと知らないふりして”なになに?○○に教えてほしいぃ。”とか。」

天利「まあぶりっこくらいするでしょう。」
余香「私のお嬢様は違います。ほんとに知らないんです。これはリアリティを追求した結果導き出された答えです。」

天利「・・まさか、そのためにものを殆ど教えないつもりですか?」
余香「はい。ですが国家権力は横暴でして、お譲さまに学校がどれだけひどい所か吹き込んでいたら、学校へ通うのを妨害しないよう通告してきたんです。信じられないでしょう?」
ええ、あなたが信じられません。
余香「おまけにこれ以上間違ったことを教え続けるなら法的処置も辞さないと言って来たんです。最後通告っていうのを持ち出して・・何様のつもりでしょうかね?」
ええ、あなたが何様ですか?
余香「それで、しぶしぶお嬢様を学校へ通わせたのですが・・思っていた通りあなたのような方がお嬢様に俗世間を教えようとして・・。」
天利「教えて何が悪いんですか?学校は社会生活を将来送る上で必要な知識を教え、道徳を教え、この国のこと、世界のこと、そして過去を伝えるんです。それは正しい未来を歩んでもらうためです。」
余香「これだから男は・・理屈で人を責め立てる。あなた、もてないでしょう?」
天利「いいえ、それなりに女性から好意を持たれたりしますよ。」
余香「うそっ。このあたりにはバカ女しかいないの?」
失礼な人だ。

余香「ああ、適齢期を過ぎたおばさんが未熟な若い男で妥協しようとしたわけね。」
とことん失礼な人だ。

学校教育が本当に必要なのはこの人なのでは?と思ってしまう。
余香「まあいいか。あなたの偏愛事情なんて。」
天利「何で偏愛なんですか?」
余香「あなたとこれ以上話す時間はありません。お嬢様を見張らなくては。」
天利「無視ですか・・って待ってください。基本的に学校は部外者立ち入り禁止です。」

余香「私はお嬢様のマネージャーですよ?」

天利「部外者に該当します。特別な要件があった場合のみ立ち入りを許可します。」
余香「あなたも国家権力の一味ですか・・よく聞いてください。」
天利「はあ。」
あんまり聞きたくないが・・。

余香「何も知らないお嬢様が学校に通うと言うことは、羊をオオカミの群れに放つのと同じことですよ。”ルール無用”の看板がそこに立っています。」
天利「えっと、つまり矢椋が騙されてひどい目に遭うからあなたがそうならないよう見張る必要があると。そういうことですか?」
余香「その通りです。理解できましたか?」
まあ、僕が赴任してから一年経ってないのに四人捕まってるからな・・。
・・はは、この学校って教育機関で会ってるよな。犯罪者の温床地帯じゃないよな。

余香「つまり私が必要であるということです。」
天利「いいえ、あなたがいなくてもいいように、矢椋が一人の人間として自立できるよう教育しますから、お引き取り下さい。」

余香「このわからずやっっっ。」
天利「それはあなたですよっ。」

余香「ふっ、平行線ね。国家権力と同じ・・。」
天利「まあものを教える側と教えないようにしている側ではそうなるでしょう。」
余香「ならお嬢様に何か遭ってもいいんですか?よく考えてください。」
ふむ、考えてはみるか。

「おじさん、おじさぁん、気持ちいいよぉ。」
「そうだろう、おじさんの指は魔法の指なんだよ。ほら、おまんこをいじるだけで気持ちよくなるよ。」
「な、なんかきちゃうよぉ。ああああああっっ・・あ、あっ・・。」
「イったんだね。初めてか?」
「うん。こんなの初めて。」
「もっと良くなるモノがあるんだが、試そうか?」
「え・・これよりももっと・・?そんなものがあるんですか?」
「この魔法のステッキを使えばもっと良くなるよ。」
「きゃぁっ。何これ?私にはこんなのないのに・・。」
「おじさん専用の魔法のステッキだよ。おじさんに任せておくれ・・。」
「は、はい。私、どうなっちゃうんだろう・・。」

yamuku

男のモノがおまんこにあてがわれ・・

余香「どうですか?考えましたか?」
天利「何で中断するんですか?今いいところだったのに。」
余香「は?」
天利「あー、いえいえ、えっと、容易に想像できました。」
余香「そうでしょう。なんせあの子は一人で買い物も出来ないくらいですから。」

天利「・・重症だ。もっと違う学校に入った方がよさそうな気がする・・。」
余香「ええ、同感です。ここは国家権力の紹介ですからね。」
天利「うちの学校を否定された気がしますが・・まあ、少し意見がかみ合った気がします。」
余香「あなたはまだまとものようね。そう、うちの事務所という最高の学校がいいですね。」

天利「はい、話は決裂しました。速やかにお引き取り下さい。」
余香「は?」
天利「”は?”じゃないでしょう。あの子は小学校をやり直さなくてはならないくらいの常識しかないんじゃないですか?」
余香「もちろんです。小学校なんて通ってませんから。」
天利「最悪だ。」
余香「ほんとです。こんな学校にこんな教師。最悪な環境です。あ、私はお嬢様を見張りに行きますね。」

天利「とっとと出てけ―――。」

とりあえず追い出した。矢椋も心配だし、余香さんも心配だ。
矢椋の様子を見に行ったら授業寝てるし。この学校は変人を引き寄せる何かがあるんじゃないか?

校長に愚痴ったら去年までは普通の人しかいなかったんだが、引き寄せる人でも赴任したかな?と言われた。
僕が悪いの?
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