―――お見合い―――

焔「初めまして、濡髪さん。」
濡髪「初めまして、焔さん。」

ここは地元の料亭。
私の目の前にいる人は壁山 焔(へきやま ほむら)さん。
・・お見合い相手です。

お見合いと言いましても、お互い結婚相手として合うかを見極めるような場ではなく、
既に親同士が結婚を決めている・・形だけのお見合い。

私は・・糸利ちゃん以外はいやだよ。

焔「少し、庭を散歩しましょうか。」
濡髪「はい・・。」

私達は料亭の庭を一緒に歩く。
焔さんはかなり背の高い人・・だけど、お腹の方も大きく飛び出ているし、何より・。

私より三十歳は年上・・二倍以上です。

焔「綺麗な景色です。こういう所は気分がいいですね。」
濡髪「そうですね・・。」
焔「鯉がいますよ。エサを上げてみませんか?」
濡髪「そうですね・・。」
焔「濡髪さん、どうしました?どこか調子が悪いのですか?」
濡髪「そうですね・・。」
焔「・・」

一緒にいて楽しくない・・。早く冬休みにならないかな。
そうすれば、糸利ちゃんまた来てくれるよね・・。

濡髪「きゃっ。」
焔「あ、あぶない。」

石につまづいてしまいましたが・・焔さんが私を抱きとめてくれましたので無事にすみました。
焔「濡髪さん、大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
濡髪「ええ、大丈夫です。ありがとうございます、少しボーっとしてしまって・・。」
焔「わかります。突然私のような男とお見合いなんて言われれば思うことも色々あるでしょう。」
濡髪「あ、いえ、あなたがいけないと言うわけではないのですが・・ただ、その、気持ちの整理がまだ・・」
焔「そう思われて当然です。まあ、私からすると、あなたのようなお綺麗な方とお見合い出来て嬉しいかぎりですが・・。」
濡髪「そんな・・綺麗だなんて・・。」
焔「本当です。私の胸を触ってみてください。すごくドキドキしているでしょう?」
私は焔さんの胸に手を触れる。
濡髪「ほんとです。焔さんの鼓動がすごく早い・・。」

焔「私はいつでもあなたを受け入れることが出来ます。濡髪さんはゆっくり気持ちの整理をしてください。」
・・この人はすごくいい人だと思います。
焔「私はいつまでも待っていますから。」
・・でも、気持ちの整理なんて・・。

びゅぅぅぅぅ。
強い風がふく・・いっそ糸利ちゃんへの想いを含め、私の感情を全て吹き飛ばしてくれれば家のため、結婚出来るのに・・。

焔「少し寒くなりましたね、風邪をひいては大変です。部屋に戻りましょう。」
濡髪「はい・・。」
ほんとにいい人だと思います。でも、でも・・。

その後は、料亭の中でお互いの趣味や世間話をして今日のお見合いは終わりました。

家に帰り・・。
濡髪の父「濡髪、どうだ?年上だがいい人だっただろう。」
濡髪「はい・・。」
濡髪の父「焔君は力も家柄も申し分ない。早く孫の顔を見せてくれ。」
濡髪「孫っ・・そ、それは早すぎです。」
濡髪の父「焔君は既に四十過ぎ・・いや、五十の方が近いか。早くしないと跡取りが出来ないままだ。」
濡髪「で、ですが、結婚するかも決まってませんし・・。」
濡髪の父「結婚は行う。決定だ。だから何も気にする必要はない。早く子供を作れ。」
濡髪「・・」
濡髪の父「・・焔君は悪いやつじゃないだろ?」
濡髪「・・はい、いい人と思いました。」
濡髪の父「そうだろう、それにほら、お前に渡してくれってプレゼントまで用意してくれたんだぞ。」
濡髪「これは・・?」
濡髪の父「お香だ。リラックスできるそうだから、これで緊張をほぐすように。」
濡髪「・・はい。」

私は焔さんのプレゼントと持って、自室に入る。
悪い人じゃないのはわかります。ですが・・。
・・糸利ちゃんが来てくれないかなぁ。いきなりやってきて、結婚を申し込んでくれたら私・・。

・・

せっかくの御好意ですし、焔さんからいただいたお香でリラックスしてみることにしました。
いい香りがします。
焔さん・・ほんとに、いい人なんですが・・。

まだ少し不安はありますが、だいぶ落ち着きました。
今日はもう休むことにしましょう。

瞑想をした後、布団に入る。
今日は色々ありましたが、明日は平穏な日でありますように。
・・糸利ちゃんに電話でもしようかな・・。

・・
・・・・
・・・・・・

濡髪「ん、、あれ、ここは?」
焔「どうしたんだい、濡髪。」
濡髪「え?焔さん?きゃっ、どうして私達、裸なんですか?」
焔「私達は無人島に遭難したんじゃないですか。」
濡髪「え?」
そう言えば、そうだったような気がします。
焔「二人で力を合わせて生きていかないといけないんだよ。」
濡髪「は、はい。」
そうでした。私達は旅行中に船が沈没してしまい、この無人島に流されてしまったんです。

焔「濡髪・・。」
濡髪「きゃっ。」
焔さんがキスしてきた。

濡髪「な、何するんですか?」
焔「ん?いまさら何を言っているんだ?ここで暮らさないといけなくなったとき、濡髪は私を受け入れてくれたろう?」
濡髪「そ、そう言われればそうだったような・・。」
焔「そうだろう?さ、私に身を任せて・・。」
濡髪「ああっ。」
焔さんが覆いかぶさってくる。

焔「今日も子作りしようか。」
濡髪「え・・そんな、ダメです。」
焔「無人島に二人だけでは寂しいだろう?三人いれば寂しくないぞ。」
二人よりも三人の方が寂しくない・・。
濡髪「・・そうですね。あの、子供欲しいです。」
焔「そうだろう、よしよし、今から入れてやるからな。」
ズブズブ。
濡髪「あうぅぅぅっっ。」

nukami

すごく熱いのが入ってくる。
気持ちいい。身体が喜んでる・・。
焔「ほら、気持ちいいだろう?」
焔さんがキスしてくる。舌を絡めていると、頭がボーっとしてきます。
濡髪「焔さん、好き・・。」
私はこの人が好きなんだ。エッチしててすごく幸せ。
焔「ああ、愛してるよ。そろそろ中に子種を出してやるからな。」
濡髪「は、はい。いっぱい出して下さい。」
ドクッドクッドクッドクッドクッ。
濡髪「あうぅぅぅぅぅぅんっっっ。」

nukami

ドクッドクッドクッ。
濡髪「ああ、すっごくたくさん出てますぅ。」
焔「ふう、奥まで注ぎ込んでやったぞ。これからもずっと一緒だ。」
濡髪「はい。ずっと一緒です。焔さま・・。」
・・
行為が終わり。
焔「濡髪、今日もとても素敵だったよ。」
濡髪「・・」
気持ちよかった。身体が溶けてしまいそう・・。
焔「これからも二人で生きていこうな・・。」
濡髪「はい・・。」

・・
・・・・
・・・・・・

がばっ。
え?なに・・?

・・夢?

私ったら、なんて夢を見るのでしょうか。
よりにもよって、焔さんが相手なんて・・。

・・
もしかして私、焔さんに惹かれてるの?



―――内田先生の住んでいるマンション、内田先生・・の隣の部屋では・・

閑木「届いた・・。」
彼は羽和 閑木(はねわ ひまぎ)。
内田先生の隣の部屋に住んでいる。娘の付和癒(ふわゆ)はよく内田先生に遊んでもらっている。

この間、彼は内田先生とお酒を飲み、酔いつぶれた内田先生の胸を揉んでいた。

その時は、内田先生がただ酔いつぶれただけだったので、それ以上のことは出来なかった。
彼には妻も娘もいる。仕事でも要職に付き、その人生は成功したと考えてよい。
そんな彼が若い女性を酔わせ、性行為に及んだことが世間にばれたら・・。

もちろん彼もそんなこと重々承知している。
だが、一度目覚めた欲望は止めることが出来なかった。
彼は娘が出来てから長い間妻との性行為は無かったのだが・・残念なことにその欲望の満たすための相手に妻以外の女性を選んでしまった。

そして彼は前回と同じように購入した名酒をエサで内田先生を釣ろうとしている。
釣った後は・・もう一つ、本日届いたモノを使おうとしている。

これを使えば内田さんは私の行為を素直に受け入れるようになるだろう。

彼は胸に手を当てているわけではないのに、自分の心臓の鼓動が聞こえていた。
それだけ興奮していた。
届いたモノを見ながらほくそ笑む。こんな気持ち、忘れて久しい。

付和癒「お父さん、どうしたの?」
閑木「!! ・・付和癒か。いや、別に・・。」
付和癒「お母さんいなくて寂しいの?」
閑木「大丈夫だ。付和癒がいるから寂しくないさ。」
付和癒「付和癒もお父さんがいるから寂しくないよ。」
閑木「付和癒はいい子だな。さ、もう眠りなさい。明日起きれなくなるぞ。」
付和癒「うん・・お父さんも早く休んでね。」
閑木「ああ、わかった。」

付和癒を寝かしつけてから、もう一度届いたモノを見る。

先ほど感じた興奮は少し覚めていた。
閑木「・・私は何をやってるんだろうか・・。」
愛する妻と娘を裏切り、娘によくしてくれる内田さんを裏切ってまですることなのだろうか?
私がしようとしていることが世間にバレたら会社へも迷惑がかかる。

熱くなっている時に、娘が出てきたことで少し冷静になったようだ。
閑木「どうかしてたんだな、私は。」

届いたモノを隠し扉にしまいこむ。
以前、日曜大工で作った棚の一部にこっそり空き場所を作っておいたのだ。
元々は、高いお菓子を隠すために作ったのだが・・。

閑木「残念な気持ちもあるが・・忘れよう、許されることではなかったんだ・・。」

彼が冷静さを取り戻していた時、ドアが少し開いていた・・。
付和癒「(あんな所に隠し場所があったんだ・・きっとお菓子を置いてあるんだ。)」

彼は、娘が自分を心配して覗いていたことには気付かなかった。
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