―――隣人(別視点)―――

付和癒「お父さん、起きて起きて。」
閑木「ん・・付和癒か。今日は休みなんだからもう少し寝かせてくれ。」
付和癒「起きようよ、起きようよ。」
娘の付和癒がゆさゆさと私を揺さぶる。
閑木「お父さんは疲れているんだよ。朝ごはんは冷蔵庫にあるから。」
付和癒「もう食べた。起きろ起きろ。」
バフッバフッ。枕で私の顔を叩く。
閑木「わかったわかった。起きるからやめてくれ。」
ふぁーーー。大きなあくびをして時計を見る。
・・七時か。十一時半まで寝たかった。
昨日は仕事帰りに入院している妻の見舞いへ行き、部屋に帰ってから部屋の掃除をした。
その後、娘の進学について悩んでいたら寝るのが夜中になってしまったのだ。

付和癒「じゃあゲームしよう。」
閑木「休日は三時間までな。時間を守れば自由に遊んでいいから。」
付和癒「うん。」
閑木「じゃあお父さんはもう少し眠るから。」
付和癒「だめぇぇぇぇぇぇぇぇx。お父さんも一緒に遊ぶの。」
閑木「お隣の内田さんに頼みなさい。お父さんは眠いから。」
私達親子が住んでいるのはマンションなのだが、隣の部屋に女性が一人暮らししている。
教師をしているそうで、優しく綺麗な方だ。時々娘の相手をしてくれるのでとても助かっている。
付和癒「お姉ちゃん、お客さんが来ているみたいなの。」
閑木「そうなのか。」
付和癒「それがね、男の人みたいなの。」
がばっ。
閑木「なにっ。」
付和癒「ふわぁ。」
思わず飛び起きてしまった。目も覚めた。
付和癒「え、えっとね、ベランダに出たら話声が聞こえたの。ラブラブだったよ。」
閑木「そうか、彼氏か・・。」
ちょっと複雑な気分だ。
いや、別に気があるというわけではなく、娘に彼氏が出来たような、そんな複雑な気分だった。
付和癒とよく遊んでもらい、留守番や食事の差し入れ、仕事と妻の看病で疲れた私を気遣ってくれるあの子は他人には思えなかったのだ。
まあ、女性としても魅力的だと思っているのは事実だが。
彼女が引っ越しの挨拶してきたのを思い出す。大学生になり大学の近くに住むことになりました。って言ってたっけ。
もう何年前だろうか・・そんなあの子もいつかお嫁にいってしまうんだな・・。
付和癒「お父さん、どうしたの?」
閑木「あ、いや・・そうか、内田さんの所はお客さんがいるのか。わかった、今日はお父さんと一緒に遊ぼうな。」
付和癒「うんっっ。」

ここで私のゲームスタイルを説明しよう。
必ず飲み物と食べ物をそばに置き、ヘッドホンを付け大音量でゲームを開始する。
トイレ以外でその場を離れる必要が殆どないからだ。
だが、今日は娘とゲームするのだから、ヘッドホンはやめておこう。
となると飲み物と食べ物だな。
冷蔵庫とお菓子棚を覗いてみる。
ふむ、もう少し種類が欲しいな・・結論、補充しよう。
閑木「付和癒、下のコンビニでお菓子とジュースを買ってからゲームしようか。」
付和癒「お菓子!ジュース!うんっ、買おう買おう。」
付和癒は喜び勇んで玄関へダッシュする。
私はまだパジャマなんだが・・。
まあ、先にコンビニへ行って欲しい物を選んでてもらうか。
コンビニはこのマンションの一階にあるから迷子にはなるまい。
さて、着替えるか。

着替えて髪をとかし、玄関のドアを開けると付和癒が内田さんと話していた。
閑木「おや、内田さん、おはようございます。」
内田「あ、羽和さん、おはようございます。」
ふむ、嬉しそうな顔をしている。先ほど付和癒が言っていた男は彼氏で間違いないだろう。
マンションから男が出ていくのが見えた。見送ってたのだろう。
男が今帰ったのは昨日泊まったからか・・?
男性が女性の部屋に泊まる・・つまりはエッチしたのだろう。
何だろう?すごく嫌な気持ちになった。内田さんが男を部屋に連れ込むわけがない・・。
閑木「先ほど男性の方と一緒でしたが彼氏ですか?」
内田「えっ、ま、まあ・・はい。」
・・思わず聞いてしまった。親戚の方とかであれば・・そう思ってしまった・・。
まあ、聞いた以上は仕方がない。話を合わせよう。
閑木「若い方はうらやましい。今日はデートしないんですか?」
内田「えっと、その、あんまり一緒にいると、甘えてしまいそうで・・。」
かわいい方だ。あんまり控えめでいすぎると他の積極的な女性に彼氏を盗られてしまいますよ?
とはいえ、内田さんはその控えめな方がいい。きっと彼氏の方が無理に部屋へ泊まるよう迫ったんだろうな。
閑木「そうですか・・今日は忙しいのですか?」
内田「いえ、今日は部屋でゆっくりしようと思っています。」
付和癒「お姉ちゃんも一緒に遊ぼう。」
付和癒は内田さんもゲームに誘うつもりだ。
子供は空気を読まないな。この後は彼氏へメールを出して昨日の夜を思い出したりするのだろうに。
閑木「こらっ、無理言っちゃいかんよ。」
内田「私なら大丈夫ですよ。時々付和癒ちゃんには遊んでもらっていますから。」
付和癒「わーい。お姉ちゃんも一緒にゲームゲーム。」
やっぱり内田さんは優しい方だ。自分のことより他の人を優先してくれる。
閑木「ありがとうございます。これからお菓子とジュースを買いに行くんですが、内田さんも一緒にどうですか?」
内田「はい。ご一緒させてください。」
私達は三人でコンビニへ行った。
内田さんは付和癒の面倒をよく見てくれる。ほんとの姉妹みたいに思える。
そう言えば、妻が入院してからはお世話になりっぱなしだったな。
この間はたくさん漬物を頂いたし。
何かお礼をしないとな。

コンビニでお菓子とジュースを買った後、私の部屋に戻りゲームを開始した。
遊ぶゲームはわかっている。二週間前、妻の入院による寂しさを紛らわすため娘に買ってやったゲームだ。
気にいってもらえて良かった。
しばらく楽しくゲームをしていたのだが、一時間くらいすると付和癒が眠りだした。
お前がこの会の主催者だろう?
閑木「おい、付和癒。お前のために内田さんも来ているんだから寝るな。」
内田「いいんですよ。ゲームはセーブして寝かせてあげましょう。」
内田さんはいつでも優しく笑顔でいてくれる。
どれだけ私があなたの笑顔で癒されただろうか。
付和癒を自室のベッドに寝かせ、リビングに戻る。
閑木「すみません、勝手なやつで。」
内田「いえいえ、楽しかったですよ。」
あなたはどれだけいい人なんですか。生まれて五十数年、初めてお会いしましたよ。
・・うーん、このまま帰ってもらうのは悪い気がする。
とはいえ、付和癒が寝てしまった以上、一緒にいる理由はないだろう。
何かお礼を出来ないものだろうか・
・・
・・・・
・・・・・・
そうだっ、あれがあった。
ちょっと好みが分かれるかもしれないが、飲んでみればきっと気にいるはずだ。
閑木「あ、お礼といってはなんですが、いいモノがあるんですよ。」
私は台所へ行き、この間購入した一品を持ってきた。
内田「日本酒ですか?」
閑木「ええ、めったに手に入らないんですよ。差し上げますから彼氏とでも一緒に飲んでください。」
金額にして十二万円。大奮発して購入した品だ。
ずっと、ずっと飲みたかったお酒だったのだが、これなら内田さんへのお礼として文句ないだろう。
内田「え、そんな。悪いですよ。羽和さんが飲んでください。」
閑木「いつも付和癒がお世話になっていますから、何かお礼をしたかったんですよ。」
内田「ですが・・。」
うーん、さすがに無理に渡すのもなんだし・・少し飲めばこのお酒の良さがわかると思うのだけど・・。
あ、そうだ。
閑木「なら今飲んじゃいますか?」
内田「え?」
閑木「付和癒は寝ちゃいましたし、少しくらい飲んでみましょうよ。」
内田「え?え?」
遠慮して帰ってしまわないよう急いでコップと氷を持ってきた。
そしてお酒をつぐ。
閑木「まあ一杯くらいいいじゃないですか。さ、どうぞ。」
内田「・・なら一杯だけいただきます。」
閑木「じゃあ乾杯しましょうか。」
かんぱーい。
ごくごく。

おおっ、期待に違わないおいしさ。濃厚で、なめらかな舌触り。いくらでも喉を通りそうだ。
いやいや、これは内田さんへのお礼なのだから、内田さんに飲んでもらわないと。
内田「ふわぁ、おいしい。それにすごく飲みやすいですね。」
閑木「確かに噂に違わぬ名酒ですね。つまみもありますからどんどん飲んでください。」
内田さんのコップにつぎ足していく。こんなうまい酒を一杯だけなんてもったいないですよね。
ごくごく。
うんうん、いい飲みっぷりですよ。内田さん。
ごくごく。
好きなだけ飲んでください。少しですがお礼が出来て安心です。
ごくごく。
気にいっていただけたみたいで良かった。
ごくごくごく。
・・えっと、飲みすぎではありませんか?
いつの間にか内田さんの顔が真っ赤になっていた。
閑木「あの、大丈夫ですか?」
内田「ん・・。」
閑木「内田さん?」
内田「ふわぁ。」
”ふわぁ”じゃないですよ。酔ってしまいましたか。
内田「お酒おいしいぃ。」
・・まあ、何にしろ喜んでもらえてよかった。
閑木「えっと、すみません、ちょっとつぎすぎてしまいましたか。」
内田「ふぁいひょうぶでふぅ。もう一杯くださぁい。」
”大丈夫です。もう一杯ください。”そう言っているのだろうけど、既にろれつが回らなくなってる。
閑木「もう一杯だけにしましょうね。」
そろそろ飲むのはやめといた方がいいでしょう。
内田「はーい。」
いい返事です。酔っ払いの返事ですが・・。
内田「おいしーい。あはは、楽しいですね。」
閑木「ええ、そうですね・・。」
いつもの落ち着いた感じはどこへやら。明るく元気な内田さんへ早変わり。
ちょっとどう接していいかわからない・・。
ぱたっ。
内田さんが倒れた。
閑木「内田さん?大丈夫ですか?」
内田「ちょっとだけ、ちょっとだけ・・。」
そう言って、内田さんは寝てしまった。
”すぅー、すぅー”と寝息を立てているから大丈夫そうだな。
やれやれ、毛布でもかけて、少し休んでいってもらおうかな。
隣の部屋から毛布を持ってくると、内田さんは変わらず寝ていた。
ははは、かわいい顔で寝ていますね。

・・はっと、、気付いた。

妻は入院中でここにはいない。
娘の付和癒は別の部屋で寝ている。

そして今ここで内田さんが酔って寝ている。
たくさん飲んだだろうし、すぐには起きないだろう。
娘のように思っていたが、妙齢の女性じゃないか。
今なら何かしても・・。

妻が入院する前から・・もう何年だろうか・・。
自分が男性としての機能を使わなくなったのは?
妻とすることも無くなり仕事と家事をするだけの毎日。

久しく忘れていた男性としての感覚が蘇る

スカートから出ている足を触ってみる。
すべすべして程良い弾力、柔らかい。
内田「ん・・。」



驚いて内田さんを見る。
・・大丈夫、寝ている。
今度は内田さんの唇を触ってみる。
・・ぷにぷにしてる。ここにキスしてみたい・・そんな思いに駆られる。
だがさすがそれはダメだろう。だが・・、いや・・。
ほんとにキスしてしまいそうだ。そんな気持ちを抑えるため、別の場所に目をやる。
大きめな胸。昨日はこの胸を男の自由にさせてたのだろうか?
いつ出会った男なのだろうか?どこまで許したのだろうか?
内田「ふわぁ・・。」
気付いたら胸を両手で揉んでいた。
すごい弾力だ・・くっ・・この胸を昨日は他の男に揉ませてたのか?それとも挟んだのか?
いじっていたら乳首が立ってきたのがわかった。
見てみたい・・直に見てみたい・・そんな衝動に駆られ、上着をめくった。
これが、内田さんの胸なのか・・。
妻はスレンダーで胸は小さい。つい比較してしまった。

大きな胸がこんなにも魅力的なのだろうか?男を狂わす魔物だ。
思わずむしゃぶりつく。柔らかい胸に顔を押し付ける感触、乳首を舌で弄ぶのが楽しい。



utidasennsei





最高だ。
ビンビンになった自分のモノの存在に気付く。
・・きっと今なら内田さんと・・。

いやいや、さすがにそんなことをしたら気付いてしまうだろう。
人間関係の崩壊、妻との離婚、職を失い路頭に迷うことになってしまうだろう。
・・だが・・。
じっと胸をさらけ出した内田さんを見る。
ごくっ。
眠ったまましばらく起きなくなるようなモノ・・。
クロロフォルム?睡眠薬?
いや、さすがにそんなものは持っていない。
やりたい・・だけど、全てを失ってしまうのは怖い・・。

・・ダメだ、やっぱり出来ない・・。

だけど、せめて・・思い出を・・。
携帯を取り出し、胸をさらけ出した内田さんの写真を取る。
動画も撮っておく。

もしこれをネタに脅せば内田さんとやれるだろうか?

・・
しばらくすると内田さんが目を覚ました。
内田「ん・・あ、すみません、私ったら眠ってしまって。」
閑木「いえいえ、いいんですよ。もう少しゆっくりしていただいても構いませんよ。」
内田「あ、いえ、自分の部屋に戻ることにします。」
閑木「そうですか・・また来てください。付和癒も喜びます。」
内田「はい。お邪魔させてもらいますね。」
閑木「いいお酒が入ったら声をかけますからまた飲みましょう。」
内田「あ・・ですが、また眠ってしまいそうです・・。」
閑木「構いませんよ。かわいい顔を堪能させていただきましたから。」
実際はもっと色々堪能させてもらった・・。
内田「もう、羽和さんったら・・それでは失礼しますね。」
閑木「ええ、それではまた。」

内田さんを見送ると、リビングに戻りパソコンを立ち上げる。
ネットにつなぎ、お酒の通信販売のページを開いて注文ボタンを押した。
次に、あるモノの入手方法を調べた・・。

しばらくすると付和癒が起きてきた。
付和癒「お父さん、パソコン?」
閑木「ああ、そうだよ・・なあ、付和癒、内田さん好きか?」
付和癒「うん、大好き。」
閑木「・・もし、お母さんに何かあったら・・内田さんが新しいお母さんになってもらおうか?」
付和癒「お父さん・・?」
閑木「あ、いやいや、冗談だよ。お腹すいただろう、お昼食べるか?」
付和癒「お菓子食べるからいい。」
閑木「ちゃんと食べないとダメだぞ。」
付和癒「・・お父さん楽しそう。何かいいことあった?」
閑木「まあ、な。こんな気持ち久しぶりだよ。」
付和癒「ん?」
閑木「そうだ、出前を取ろうか。好きなもの頼んでいいぞ。」
付和癒「ほんとっ?じゃあ、じゃあおすしっ。」
閑木「ようし、じゃあ注文するか。」
付和癒「うんっ。」

ネット注文するため、パソコンの前に座る。
今開いているページを閉じ、出前専用のページを開く。

・・閑木が閉じたページには、友人からのメールが表示されていた。
そこには、閑木が欲しがっているモノを送ってくれる・・そういう内容だった。
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