―――夏休み2―――

ん、朝か。
結局昨日、濡髪は目を覚まさなかったので、寒くないようにして寝かせたままにしといた。
僕は、台所に布団を敷いて寝ることにした。
使っていい部屋がわからなかったから。
んー。両手両足を思いっきり伸ばす。あー、思いっきり伸ばすと気持ちいいなぁ。
濡髪「いたっ。」
天利「あ、ごめん。」
手を伸ばした後、戻す時に濡髪の頭に当たってしまった。
濡髪「昨日は疲れたでしょう。もう少し寝てていいですよ。」
天利「ああ、ありがとう。」
濡髪「私ももう少しこうしていたいので。」
ん?
天利「ってなんで一緒の布団で寝てんの?」
濡髪「糸利ちゃんと一緒の布団で寝たかったから・・。」
上目づかいで僕の方を見る。
うーん、問題ないような気がしてきた。
濡髪「糸利ちゃぁん。」
抱きついてくる。昨日セックスした感触を思い出す。
久しぶりのセックスは気持ちよかったなぁ。またさせてくれそうな気がする。
濡髪「糸利ちゃんの好きにしていいよ。」
僕の理性は崩壊し、濡髪の身体を堪能した。
・・
二回出した所で満足した。
濡髪「糸利ちゃんの赤ちゃんできるといいね。」
理性は重要だとわかりました。
思いっきり中出ししてしまった。
濡髪は嬉しそうだが、僕は気が気じゃない。
どう考えてもまずい。濡髪の両親がいない間に初めてを奪ったうえ、その後も好き放題に弄んでいるように見えるだろう。
子供が出来たらさらにまずいだろう。
大人なら当人同士の問題だろうけど、濡髪は学生だからなぁ。
濡髪「糸利ちゃぁん。」
エッチが終わった後もべたべた抱きついてくる。
濡髪「糸利ちゃん糸利ちゃん糸利ちゃん。」
天利「そうあんまりくっつくな。」
濡髪「え・・あ、ごめんね・・ちょっと顔洗ってくるね。」
しゅんとしてその場を離れる。
なんだろう?悪いことをした気になる・・。
天利「どうしたもんかな・・。」
濡髪が嫌いなわけじゃない。どちらかというと好きな方だろう。
従姉妹なのは気になるが、結婚は出来るし大きな問題ではないだろう。
どちらかというと、濡髪が学生であることだ。
それも、自分の教え子と同じ年齢層であるということ・・。
僕は大人として濡髪を正しい方向へ導くべきだ。
直接の教え子ではなくても、仮に僕が教師でなくても、大人は子供に対し模範でなければならないと思う。
自分の欲望を優先させてはいけない。決して。
濡髪「糸利ちゃん、朝ごはん作るけど、糸利ちゃんも食べる?」
洗面所から戻ってきた濡髪が声をかけてきた。
天利「ああ、いただくよ。」
濡髪「じゃあ糸利ちゃんの分も作るね・・おいしく作れたら、ご褒美くれる?」
濡髪が甘えてくる。抱きつき、僕の首にキスしてくる。
天利「濡髪、こういうことはしてはいけないんだ。」
濡髪「糸利ちゃん・・どうしてそんなこと言うの?私のこと嫌いになったの?」
濡髪が悲しい顔をする。
濡髪「私、ずっと昔から糸利ちゃんのことが好きだったんだよ。昨日やっと気持ちが伝わったと思ったのに・・。」
天利「僕は、濡髪のことが好きだよ。でも、僕は大人なんだ。学生の濡髪とは男女の関係ではいられない。」
濡髪「どうして?学生は人を愛しちゃダメなの?人を好きになるのは子供も大人も同じだよ。」
天利「暴力シーンや性的な描写は子供には見せてはいけないとされている。それを見た子供の心と身体の成長に悪影響を及ぼさないためだ。」
天利「人を好きになることもあるだろう、愛することもあるだろう。それは決してダメではない。」
天利「だけど、昨日みたいにエッチなことをしたり今日みたいに一緒の布団で寝たりしては濡髪の成長に悪影響を与えてしまう。だからだよ。」
濡髪「・・」
天利「僕は、濡髪のことが嫌いなんじゃない。好きだから、濡髪のことを真剣に考えたんだ。」
濡髪「わかった・・。エッチなことは我慢する。」
天利「よかった、わかってくれたか。」
正直かなり残念なのだが、濡髪のことを考えたらこの方がいい。
もう少し年相応の相手と相応の付き合い方をして、恋愛ということがどういうことか知るといいだろう。
濡髪「うん・・ありがとう、糸利ちゃん。糸利ちゃん、そこまで真剣に考えてくれてたんだね。」
天利「も、もちろん。」
濡髪「それって、プロポーズなのかな?きゃっ、私ったら大胆・・。」
天利「・・」
うーんと、そういうわけじゃないんだよ。
だけど、濡髪が奥さんか・・。別にダメじゃないよな?かわいいし、料理洗濯等の炊事もばっちりだし。
裁縫も得意で子供が好きだから子供用の服や体操袋とか作ってくれたりするのかな?
いい出来だったり使い終わったら今はネットで販売も出来るし。
昔から知っている相手だし性格も悪くない。僕のことをこんなにも想ってくれてるし。
・・あれ?もしかしてこのまま付き合った方がいいのでは?
今のうちに他の男が手を出さないように囲っておいた方がいい?
はっ、いやいやダメだそれは。濡髪の可能性をつぶしてはいけない。もっといい人がいるかもしれない・・でも・・。
天利「ま、まあ、大きくなってからそれでも僕を想っていてくれたのなら、僕はその気持ちに応えるよ。」
濡髪「糸利ちゃんっっっ。」
天利「うわっ。」
濡髪が抱きついてきた。素敵な胸が僕を窒息させにくる。
天利「・・ぷふぁっ。」
あぶないところだった。一瞬このまま窒息しても本望と思ってしまった。
天利「最後まで聞け。大きくなってからだ。それまでに他の人にも目を向けてみてもいいと思う。それでも僕がいいならその時はもう一度その気持ちをぶつけてきてくれ。」
濡髪「うん。うん。子供は何人にする?三人は欲しいよね。」
天利「話、聞こうよ・・。大切な話だよ・・。」
・・それからはソフトなふれあいだけになった。
身体のふくらみを押し付けるような抱きつきもしなくなったし、エッチをせがむようなとは言ってこなくなったし。

別に、残念とは思っていませんよ。

・・ウソですすみません。すごく残念です。
でも、これでいいんだ。大人の僕がブレーキをかけてやらないといけないんだ。

・・朝ごはんを取り、まったりしている・・。
そう言えば、この辺結構変わってたなぁ。
四年も帰らなければ変わるか・・。
天利「濡髪、僕ちょっと出かけてくるから。」
濡髪「どこへ行くのですか?」
天利「えっと、特に決めてないよ。散歩かな?」
濡髪「・・私も行きます。」
天利「え?」
濡髪「そんなこと言って、女の子に会いに行くんですね?天利ちゃん節操なさすぎです。」
天利「いや、そんなつもりはないから。」
というか地元の知り合いにも四年間会ってなかったんだから。
濡髪「別に構いませんよ。私は天利ちゃんの二号さんでも三号さんでも。」
天利「いやいやいや。」
この国は一夫一婦制ですよ?
濡髪「普段は他の女の子の所に行ってていいです。でも、時々、私のことを思い出したら・・気まぐれでもいいです。会いにきてください。」
天利「違うから・・本当に散歩なんだ。四年の間に変わった町並みを見たいんだ。」
濡髪「あ・・私ったら。えっと、それなら案内させてください。」
天利「う、うん。お願いしようかな。」
道路も変わってたから、迷子になったら怖いし。
昔迷子になった時は方角がわからずガソリンスタンドで地図を見せてもらったなぁ。
親切な人が車で送ってくれたりもしてくれたなぁ。
そう、僕は方向オンチなのだ。
さすがに知っている道で迷子にはならないけど、知らない道やいつもの道が道路工事で変わったら方向を間違って認識してしまう・・。

・・
濡髪の案内で色々変わった町並みを見ることが出来た。
部分的に近代化されているって感じがしたなぁ。
あ、低価格そば店が出来てる。昔は草ぼうぼうの空き地だったのに。
チェーン店のビデオレンタル屋も出来てる。
うーん、田舎も都会に似てきたなぁ。
まださすがに都会よりも店が少ないけど。
・・色々変化しているんだな。町並みも、隣にいる濡髪も・・。
僕も、変わらないといけないのかな?いや、もう変わってしまったんだろうか?

・・
魔法少女「あぶない、下がっててっ。」
へ?
どんっっ。
そこには若い女の子がいた。どうやら尻もちをついたらしい。
パンツが見えるのはいいとして、一緒にいるのは何だ?
濡髪「あ、魔法少女。」
天利「???」

nono

魔法少女「くっ、手強い。でも、この町の平和はボクが守るっ。」
若い女の子がうねうねした変な生き物?と戦っている。
濡髪「ち、違いますよ。この町は私達地元の人で守ってみせます。」
濡髪が女の子と変な生き物?の所へ向かって走り出す。
天利「濡髪っ、あぶないよ。」
濡髪「大丈夫です。これでも訓練を積んでいますから。」
・・訓練?
・・
・・時間にして五分くらい。
濡髪が参戦したことで、危なげなく変な生き物?を倒した。
天利「えっと、濡髪、大丈夫か?」
濡髪「ありがとうございます、糸利ちゃん。私は大丈夫です。」
見た所、ちょっと砂が髪についているくらいで怪我はしていないようだった。
良かった。
魔法少女「ちょっと、ボクへのねぎらいは無し?」
今どきの子だろうか。結構肌を露出している少女は不満らしい。
濡髪「当り前です。この辺は私達神社、寺院、教会連合の力で町を守れます。よそ者の魔法少女は必要ありません。」
魔法少女「ぼ、ボクはみんなの幸せのために戦っているんだ。別にいいじゃないか。」
濡髪「いいえ、あなた達魔法少女協会は他の町で勢力を広げようとしているらしいじゃないですか。その台頭の影で代々町を守ってきた人達が不当に迫害を受けているんです。」
んーと、ついていけない。あの変な生き物?もそうだし、濡髪とこの女の子にも。
というか、魔法少女?コスプレにすらなっていない気がする。
・・そうか、設定か。なりきっているんだ。
カメラはないから撮影ではなさそうだ。こういうのが好きな人達が集まってやっているんだな。
僕が雰囲気を壊してはいけない。濡髪もまだ子供。この自称魔法少女の女の子も濡髪とそんなに変わらない年齢だろう。僕も設定に沿った行動をとろう。
魔法少女「・・この辺じゃ見ない顔ね。あんただれ?」
天利「あ、僕は天利糸利。一応ここで生まれ育ったんだよ。帰省するのは四年ぶりだけどね。」
魔法少女「天利?あの天利家の?失礼しました。ボクは魔法少女のNEXT NONO.(ネクスト ノーナンバー)です。よろしくね。」
天利「ネクストノーナンバー?」
・・キャラクターの名前だろうか?突っ込んではいけない。雰囲気を壊してしまう。
魔法少女(ノノ)「ノノって呼んでください。」
天利「わかったよ。ノノちゃん。」
ノノ「えへへ、ノノちゃんかぁ。ね、糸利様。一緒にお茶でもどうですか?」
魔法少女が僕の腕に抱きついてくる。
ふむ、大きくはないが、胸はある。
最近の若い子は発育いい子が多いな。
濡髪「よそ者が糸利ちゃんに触らないで。」
ノノ「べー。神社の娘はあっちいって。ノノは糸利様とデートするの。」
濡髪「違います。糸利ちゃんは私とデートするんです。」
そう言えば濡髪と一緒に出かけてたのは、デートとも言えるな。うん。
それにしても、女の子が僕の取り合いか。たまには地元に帰省してみるもんだな。最高っっっ。
濡髪「糸利ちゃんっっ。糸利ちゃんは私とデートするんですよね?」
ノノ「糸利様はノノの方がいいですよね?」
えっと・・これはどうしよう?
天利「二人とも知り合いなんだよね?三人で一緒にどう?」
ノノ「いやです。こんなのと一緒なんて最悪です。」
濡髪「私もいや・・糸利ちゃんの二号でも三号でもいいけど、これが混ざるのは絶対いやです。」
二人とも設定に忠実だな。一緒に遊んでるんだから本当は仲悪くはないだろうに。
天利「まあまあ、たまには気分を変えてみてはどう?新しい楽しみも見えてくるかもよ?」
遊びのパターンも増えると楽しいよね。
仲悪い設定だから一緒に歩いたりはしないのだろう。でも、あえてそれをやってみることで、いつもと違うものが感じられるかもしれない。そう思う。
若い頃は色んなことにチャレンジしてみるのもいいじゃないか。一緒に散歩してもお金がかかるわけでもないし。
濡髪「これといて楽しみ・・?それはわかりませんが、糸利ちゃんがそういうなら・・。」
ノノ「うーん、糸利様はこの売女の知り合いなんですか?」
濡髪「だれが売女ですかっっ。」
天利「あんまりそういう悪口は言っちゃいけないよ。。。えっと、従姉妹です。」
ノノ「仲いいんですか?」
天利「えっと、まあ多分。昨日四年ぶりにあったばかりだけどね。」
濡髪「糸利ちゃんと私は運命の相手です。四年のブランクは関係ないです。」
ノノ「(ぼそっ)濡髪の片思い?」
天利「え?なんて言ったの?」
ノノ「いえ、何でもないです。糸利様のおっしゃる通りですね。三人でデートしましょう。」
天利「あ、ああ。」
三人で喫茶店に入ってまったりした。
それにしても、ここはどこだ?本当に喫茶店なのか?
外観は普通の喫茶店だった。だけど・・
店の中にはテーブルも椅子もなかった。
玄関で靴を脱ぎ、広い畳の部屋に案内してもらった。
畳の上に座り、和服姿の給仕さんがお茶を入れてくれた。
メニューは・・おにぎりばっかり。
天利「ここは?」
濡髪「喫茶店ですよ。」
天利「コスプレ喫茶?」
ノノ「は?普通の喫茶店でしょ。」
・・普通?普通ってなに?
まあ食べられるのならいいか。
僕達は各々好きなおにぎりを注文した。
するとすぐに給仕の子がやってきた。大きな桶にご飯がたくさん入っている。
天利「おにぎりじゃないじゃん。」
どちらかというと、炊飯器がそのまま来たようだ。
濡髪「違いますよ。ここからおにぎりになるんです。」
???
いまいち理解できずにいると、僕達の目の前で給仕の子がおにぎりを握り始めた。
こ、これは・・。
すぐに注文したおにぎりが出来上がる。
漬物とお味噌汁が一緒に付くらしい。こうして目の前に食事が出来上がった。
かわいい女の子が目の前でおにぎりを作ってくれる。
そしてお味噌汁もよそってくれる。
給仕「冷めないうちにお召し上がりください。ではごゆっくり。」
笑顔でそう言って部屋を出ていった。
これはいい。目の前で純和風なかわいい女の子がおにぎりを握り、お味噌汁もよそってくれる。
なるほど、テーブルはなくても料理を置く器?がそれなりの高さがある。
旅館の料理を置くやつを使っているみたいだ。
雰囲気もばっちりだ。
たっかいセットメニューがあったが、これは宴会用だな。
この雰囲気で旅館と同じようなメニューが出るんだろう。
しかもかわいい女の子が給食当番?のように料理を盛ってくれる。おにぎりは目の前で握ってくれた。
変な場所だと思ったけど意外と普通なお食事処だった。
時々給仕さんが見回り、お茶のお代わりを進めてくる。もちろんお茶はタダだ。
すぐ横に座ってお茶を入れてくれる光景は素晴らしい。
と、思ったら、お茶を入れる時の給仕さんの位置は色々あるみたいだ。
すぐ近く、横でいれてくれたり目の前に座って入れてれたり、入れ方を教えてくれると言って僕の手を取って一緒にいれたり・・。
一応部屋にもお茶は備え付けられているけど、かわいい女の子が入れてくれる方がいい。
満足だ!
・・
顔が緩んでたらしい。濡髪とノノちゃんの機嫌が悪くなった。
仕方ないじゃないか。あれはすごく新鮮だった。
その後は三人で町を散歩した。
濡髪とノノちゃんは時々言い合いしてたけど、きっと仲良いんだな。そう思った。

帰省して良かった。本気でこっちの暮らしを考えようかな?
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