―――休日―――

はあ、せっかくの休日なのにやる気が出ない・・。
なんだろう?学校(仕事先)がつらい。
最初はいい学校と思ったんだけどなぁ。
綺麗な先輩教師にかわいい生徒達。
あわよくばいい思いも出来るかと思ってたのに・・。
みんな他の先生に取られている気がする。
火気士先生に士巻先生。上手くやってんだろうなぁ。
もしかしたら今日も呼びだしてエッチなことしてるんだろうか?
まさかもう、黒田は処女を奪われてしまっているのかも・・。
くそっ、なんとかならないだろうか・・。

ぐー。
まあ、人間だから、お腹が空くよね。
・・作る気しねぇ。
外で食べるか。なんか、ダメ人間になってるな、僕。

外に出たのはいいけど、何食べようかな?牛丼、ラーメン、うどん、そば、ハンバーガー・・。
ちょっと値段あげて回転ずしとかもありか。
ファミレスもおいしそうだ・・うーん、悩む。
瀬間「おや、先生じゃないですか?」
天利「瀬間。どうしたんだ?」
瀬間「別にどうもしませんよ。私が住んでいるのは隣の駅です。ここは十分行動範囲です。」
それもそうか。
天利「えっと、じゃあ先生はこれで・・。」
瀬間「・・やっぱり私は嫌われているんですね。だからすぐに別れようとするんですね。」
天利「いや、別にそういうわけじゃあ・・。」
瀬間「所詮私達は学校で先生と生徒の関係なだけ。校門を出たら”他人”なんですね。」
天利「いやいや、学校の外でも変わらん。大切な生徒だ。」
瀬間「ほんとですか?」
天利「も、もちろんだ。」
瀬間「無理やり言った感があります。やっぱり先生にとって内田先生と黒田さん以外は他人なんですね。」
天利「どうしてそこで内田先生と黒田が出てくる?」
瀬間「・・なら田歩和先輩ですか?メニューにないおにぎり差し入れされていやらしい顔してましたね。」
この間、食堂での出来事か・・見られてたか。別にいやらしい顔はしていなかったと思うが。
天利「あれは、僕が・・少し元気なさそうだからって気を使ってくれたんだよ。」
本当は落ち込んでたんだが、言い方を軽くした方がいいと思って”少し元気がない”と言った。
瀬間「そうですか?先生は女ならだれでもお構いなしに誘惑しますからイマイチ信用できません。」
天利「そんなことしないって。」
瀬間「なら先生は私も大切な生徒と思ってくれてるんですか?」
天利「もちろんだよ。当然じゃないか。」
瀬間「大切な生徒はお腹が空いています。ちょうど良い所に目の前にはラーメン屋さんがあります。どうしますか?」
天利「”どうしますか?”って言われても・・入れば?」
瀬間「大切な生徒は軽い財布しかありません。先生はどうしますか?」
おごってくれということだろう。
瀬間「やっぱり先生は口だけちゃんなんですね。どこぞの政治家や評論家と同じですね。」
天利「いやいや、先生も他の方も口だけでなくちゃんと行動もしているから。」
瀬間「大切な生徒が餓死してもいいんですか?」
天利「わかったから、おごるから。それでいいだろ?」
瀬間「なんて言い方ですか。まるで私が無理におごらせたみたいじゃないですか。」
天利「・・違うのか?」
瀬間「全然違います。ならいいです、餓死しても先生は構わないんでしょうから。」
天利「構うって。まあ店に入ろうか。」
瀬間「お願いしますは?」
天利「は?」
瀬間「店に入って欲しいんですよね?ならそれなりの言い方があるんじゃないですか?」
なぜ?なんか前も同じようなことがあったような・・。
天利「お願いします。僕にお昼をおごらせてください。」
瀬間「最初からそう言えばいいんですよ。さ、行きましょうか。」
納得できないのはなぜだろう?
店に入り・・。
天利「何でも好きなのを頼んでいいからな。遠慮するなよ。」
瀬間「じゃあまずはビールとから揚げを所望します。」
天利「不許可だ。」
瀬間「・・酔ったらもう少し素直になるかもしれませんよ。」
天利「まあ素直になって欲しいとは思うが、ビールはダメだ。」
瀬間「・・素直になっていいですか?天利先生応えてくれますか?」
天利「応えるって何を?」
瀬間「私の素直な気持ちに・・誠実に応えてくれますか?」
天利「え・・。」
何か告白されるみたいな雰囲気だ・・。
天利「えっと、まあとりあえずお昼食べようか。」
瀬間「はぐらかされた・・。大人が大好きな”とりあえず”が出た。」
天利「あ、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだよ。」
瀬間「いいですけどね。先生は内田先生と黒田さんとエッチすることしか興味ないんですよね。」
天利「いやいやいや、他にも興味はあるって。」
瀬間「他にもってことはエッチは興味あるんですね?」
天利「う・・まあ、大人の男だし・・。」
瀬間「私、変態にお昼おごられてた代わりに何させられるんだろう?」
天利「何もしないって。」
瀬間「何もしてくれないんですか?」
なんだそれ?まるで何かして欲しいみたいな・・。
瀬間「ラーメンに全トッピングを付けましょう。飲み物はウーロン茶で。」
あ、今の話は放置ですか。
天利「全トッピング?」
瀬間「自分の財布じゃ出来ない大技です。楽しみです。」
天利「ま、いいけど・・。」
瀬間「あれ、いいんですか?結構高くなりますよ。」
天利「たまにはいいと思う。決まったことだけしかしないやつになって欲しくないしな。」
瀬間「なら、お言葉に甘えさせていただきます。先生は何を注文しますか?」
天利「醤油味のチャーシューメンかな?」
瀬間「チーズ味もお勧めですよ?」
天利「・・なんだそれ?」
瀬間「隠しメニューのチーズトッピングです。」
天利「そんなのあるのか?」
瀬間「冗談に決まってるじゃないですか?先生もしかして騙されて借金漬けですか?」
天利「先生をからかうな。それと、先生は別に借金していない。」
瀬間「そうですか、良かった。」
天利「何で瀬間が良かったと思うんだ?」
瀬間「将来旦那になる人に借金あったらいやじゃないですか。少なくても親はいい顔しませんよ。」
天利「え・・?」
将来旦那って、瀬間は僕の奥さんになるつもりなのか?
まあ発言はともかく見た目かわいいとは思う。しぐさは女の子って感じで目を引くし、胸もある。
今はかわいい感じだけど、将来綺麗な女性になりそうな気がする。
もしかして、今のうちに自分のそばにいてもらったら本当に僕の奥さんに・・。
内田先生や黒田みたいに他の男もいなさそうだし・・。
瀬間「何マジな顔してるんですか?」
天利「え?」
瀬間「冗談に決まってるじゃないですか。生徒と先生が恋愛なんてありえないです。禁止行為です。」
天利「そ、そうだよな・・。」
本気で考えてしまった。やばい、意識してしまう。
瀬間「・・先生は私をどう思いますか?」
天利「え?そ、そりゃあかわいい生徒さ。」
瀬間「そうではなくて、人間として、女性としてどう思いますか?」
天利「えっと・・。」
瀬間「私は入学前に先生と会ったことがあるんですよ。」
天利「?」
記憶にないな・・いつもの冗談か?
瀬間「今の学校の受験日に、道に迷ったんですよ。」
瀬間「その時、先生が学校に案内してくれました。」
あ、そう言えばそんなことした記憶がある。
瀬間「困って涙ぐんでる私にハンカチを貸してくれて、学校まで連れて行ってくれたんですよね。」
天利「ああ、思いだしたよ。」
瀬間「その時に貸していただいたハンカチ、今も持っています。ほら。」
天利「一応あげたつもりだったんだけどな。」
瀬間「ええ、わかってます。ですが、いつか返さないといけないと思ってました。」
天利「えっと、なら今返してもらえるのかな。」
瀬間「いいえ、まだ先です。」
天利「なんでだ?今でいいじゃないか。」
瀬間「これを先生から借りている間は先生とつながりがあると思えるんです。」
瀬間はそう言うと、ハンカチを抱きしめた。
か、かわいい・・。
瀬間「先生と新しい特別なつながりが出来たと思ったらこのハンカチはお返しします。」
頬を染め、まるでハンカチを僕と思うかのように優しく抱きしめて・・。
瀬間「それはそうと、先生、後よろしく。あ、ウーロン茶おかわり。」
天利「後って・・?」
瀬間「もう食べられません。」
・・瀬間の目の前にはラーメンが大量に残っている。
天利「あんなにトッピングするからだっっっ。というかトッピングばかり食べるな。」
瀬間「後よろしく。」
天利「はあ、まあ食べるか。」
瀬間「かわいい女の子の食べかけですよ。レアだと思いませんか?」
天利「レアだが僕には需要ない。」
瀬間「先生は人生損してます。」
このくらいの損なら別に構わんだろう。
お昼を食べ終わり、店の外に出る。
天利「これからどうする?」
瀬間「デートコースは任せます。」
天利「そうか、なら公園でゆっくりするか。」
瀬間「異存ありません。」
僕達は近くの公園に来た。
結構広い公園で水道、トイレ完備。自販機も近くにあり便利である。
しばらく二人でのんびりした。
そんなに話はしなかったけど、二人一緒にいるとドキドキした。
瀬間はどう思ったかな・・。
天利「日が暮れてきたかな。そろそろ家に帰るように。」
瀬間「必要ありません、先生の家に泊まります。」
天利「は?」
瀬間「今、いい雰囲気だと思いませんか?生徒を食べるチャンスですよ。」
天利「食べたら先生をクビになる。」
瀬間「食べたくないんですか?」
天利「ノーコメントでお願いします。」
瀬間「それ、食べたいって言うのと同じですよ・・先生、私、帰ります。」
天利「あ、ああ。また学校で。」
瀬間「・・天利先生、私が卒業したら食べてくださいね。」
天利「え・・。」
瀬間「あ、その前に告白してくださいね、付き合ってあげます。私、先生のこと好きですから、待ってます。」
天利「・・」

sema

瀬間は走って行ってしまった。
これは、これはやばい。
瀬間は一年生、約三年すれば僕の彼女になるとの宣言か。
三年後か、楽しみに思ってしまう。
だけど、その前に内田先生と結婚してしまう可能性もあるし、どうしようかなぁ。
よし、みんなまとめて付き合おう。
ってそれはダメだと以前結論出したろ?

その夜は、ずっと瀬間のことを考えていた。
先生と生徒でなければ、今すぐにでも付き合いたい。
デートしたい、エッチもしたい。二人で一緒にいたい。

悶々とした夜を過ごした・・。
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